[関東大会]準決勝敗退も多くの選手がピッチへ 正智深谷は今後に繋げる関東での2戦に
第67回関東高校サッカー大会・Aグループ準決勝(26日・千葉)。大成(東京都)と対戦した正智深谷は0-3で敗れ、第56回大会以来と11大会ぶりとなる決勝進出とはならなかった。
小島時和監督は「後手後手でしたね。相手も力強い、速いチームで、押し込んではいるけど決められる。綺麗にカウンターを喰らっちゃって。2点目がちょっと痛かったですね」と悔やんだ。
前回、指揮官が「今大会は全員を使いたい」と話していた正智深谷は1回戦からガラッとメンバーを変更。DF外山達也(3年)、DF鹿倉颯太(3年)以外の9人を替えてこの一戦に臨んだ。
その中で前半14分、カウンターから失点。正智深谷も29分、中盤で細かく繋ぎながら外山のクロスにMF坂井直人(2年)がダイビングヘッドで決定機。33分にはFW宮田多聞(3年)の好シュートが枠を捉え、39分には外山がMF栗原エイト(3年)とのパス交換で抜け出しクロスにMF中村元宥(3年)がヘディングで合わせたが、いずれもキーパーの好守に阻まれた。
すると前半ラストプレーとなった43分、左から崩されクロスから取られた2点目が重く響いた。
正智深谷は後半開始からMF赤川空音(3年)ら3選手を変更。さらに20分には初戦の白鷗大足利(栃木県)戦でも攻撃の起点として牽引した10番MF近藤七音とMF白岩龍(ともに3年)を投入する。24分には近藤がドリブルで切り込みシュート。34分には白岩が収め、赤川が狙ったが、惜しくも枠を捉えることができなかった。逆に37分に3失点目を喫し0-3で敗れた。
決勝進出とはならなかったが、今大会は登録25選手のほとんどが一定以上の出場時間を与えられ、経験値を積んだ。準決勝でトップ下起用された坂井は「良い位置で受けて、逆に展開することはできたと思いますけど、やっぱりクロスからの得点とかは課題。2年生でこういう舞台で良い経験ができたかなと思うんですけど、やっぱりその中でも結果を求めていきたい」と話す。
初戦の途中出場に続き、この日はスタメンしたCB岸田琉来(1年)はスピードを生かして、裏に抜けられても追いつき身体を入れて奪い切る守備。指揮官にとっても良い意味で驚きとなったようだ。「声をかける部分とか、競り合いとか対人っていうのは勝てたかなと思います」(岸田)
県予選では途中出場からリズムを作った栗原も「しっかり相手を見ながらパスとかはできたんですけど、相手の守備の仕方とかによってうまく崩せなかったのでもうちょっと改善したい」。その上で「インハイに向けてまた練習からしっかりみんなで意識しながら、優勝できるように頑張りたい。インハイに向けて、誰が出てもおかしくないような、その感じでいきたい」と語った。
悔しい結果とはなったが、この場に立ってみなければわからなかったことはある。それは選手それぞれが感じたはず。この関東での2戦をしっかりと繋げて、インハイ、選手権で全国を目指す。
石黒登(取材・文)
試合結果
大成 3-0 正智深谷
0(前半)0
3(後半)0