[関東大会]成徳深谷は焦らず臨み、後半ATにWB山谷康太朗が劇的同点弾! 苦手意識あったPK戦制し、前橋育英を撃破

第67回関東高校サッカー大会・Bグループ準決勝(26日)。前橋育英と対戦した成徳深谷は終了間際の左WB山谷康太朗(2年)の劇的弾で1-1と追いつくとPK戦の末に勝利を収めた。

この日はFW相澤純弥(3年)を起用し、FW関根大和(2年)との力強い2トップに。トップ下に長身の福島雪翔(3年)、ボランチに増田蹴人(3年)を1枚ずつ上げてこの一戦に臨んだ。

前半はほぼイーブンの展開に。成徳深谷は1回戦の東海大甲府戦でもボールの収まりどころとなった関根にゴールを当てつつ、25分にはゴール前のこぼれ球から増田が決定機。35分には相澤が身体の強さを見せ、混戦を福島が振り抜いたシュートが相手に当たりわずかに左に外れた。

後半13分に前橋育英の東松山ペレーニア出身左SB川上和真(3年)の突破からのクロスがオウンゴールとなり、先制点を許したが、「もうチームで試合が始まる前に話していたんですけど、失点は想定内みたいな感じでやっていて、失点しても別にそこまで取り乱すことなく、「想定内だから大丈夫!」「行こう!」みたいな感じで自分たちのサッカーを落ち着いてできた」(福島)

久々のトップ下で「ゴールを意識していた」と話す福島が局面に絡み、MF稲積俊音(3年)は運び出すドリブルで前進。また、GK緑川徠雅(3年)が勝負を決める2点目を許さなかった。

すると41分、増田のクロスからMF西村優悟(3年)、福島が繋いだボールが山谷のもとへ。これを左足で突き刺して終了間際に劇的同点ゴールが決まった。殊勲の2年生WBは「もうコースも、自分もどフリーで、もう打つしかないっていう気持ちだった。みんなが繋いでくれたバトンが最後僕のところに来て、それをゴールに繋げられたのが嬉しい」と会心の笑顔を見せた。

延長戦でも決着がつかず、勝負はPK戦へ。今年は3月の宮崎でのフェスティバル、県予選決勝の正智深谷戦とPK戦での敗戦が続いていた。「PKに対しては結構苦手意識はあったんですけど、練習内でもPK練習をしつつ、「雰囲気作り」っていうのを今回結構意識しました」(福島)

「前回関東予選で負けた時、俺らは結構緊張していた中で正智さんはすごく楽しそうにPKに臨んでいた」。今回はみな表情も明るく、雰囲気良く臨むと「練習ですら結構ドキドキするんですけど(笑)、今回はリラックスして蹴れた」という福島を含め5人全員が成功させ試合を締めた。

成徳深谷は前回、埼玉県第1代表として初出場した2018年大会決勝で前橋育英に敗れ涙。今回は都県2位のBグループでの出場、また前橋育英もトップがプレミア、セカンドがプリンスに上がるなど当時とは状況は違う部分はあるものの、為谷洋介監督は「我々(スタッフ)の中では絶対にここでリベンジを果たそうというのは言っていた。選手はよく頑張ってくれた」と労った。

また、この日は右CBとして今井葵大(2年)がトップチーム初スタメン。3バックの中央を務める小島理久斗(3年)、右WBの藤村岳渡(3年)のカバーに入りながらフル出場を果たした。「まだまだ課題はあるんですけど、フル出場できて良かった。自信になりました」と振り返った。

石黒登(取材・文)

試合結果

成徳深谷 1(5PK3)1 前橋育英
0(前半)0
1(後半)1
0(延前)0
0(延後)0
5(PK)3