埼玉栄中が南浦和中に新人戦のリベンジ果たし3年ぶりV!令和5年度さいたま市冬季大会
あの日の敗戦を力に変えた。令和5年度さいたま市冬季大会は10日、堀崎公園で最終日が行われ、決勝は埼玉栄中が1-0で南浦和中を下し、現高2年生の代以来、3年ぶりの優勝を飾った。
両チームは昨秋に行われた県新人大会・準々決勝でも激突。埼玉栄は前半3分に先制したものの、その後2得点を奪われ逆転負けを喫した。佐瀬裕大監督は「新人戦県大会で悔しい負け方をして、その敗戦からひとつの目標として「南浦和を倒す!」ということを目標にトレーニングしてきたことが、ここで結果として出たのは彼らの努力の成果かなと思います」と選手たちを讃えた。
埼玉栄は新人大会の4-4-2から4-1-4-1にシステムを変更。先の大会では2トップ頼りなところもあったが、フィジカルや技術で上回る相手に対し、うまくいなしつつ、サイドに散らして幅と厚みを使ったアタックで迫ると前半5分、10番のMF宇山尊(2年)の左コーナーキックがキーパーのファンブルを呼び、前回対戦に続き、早い時間帯でのリードに成功した。
その後も小柄だが、機動力とガッツのあるFW髙橋寅知(2年)を起点にプレスをかけ、相手をはめ込みながらアンカーの池内蒼偉(2年)主将がボールを回収。そこから新システムでは2列目を務める宇山が長い距離をドリブルでの運び出しての左足のシュートなどでゴールに迫った。
南浦和は前半、相手のプレスに苦しみボールを前進させられず苦戦。新人戦に続き、得点を量産していた10番FW鈴木照世(2年)、FW川尻泰生(2年)になかなかボールが入らなかった。
埼玉栄は後半、勝負にこだわりつつ、中盤で奪った際にはしっかりとマイボールにしながら攻撃。一方、南浦和も鈴木照がボールを受ける回数を増やしながら迫力のあるドリブル突破を見せる。
後半は南浦和が攻勢を強める中で埼玉栄は「今日は10番(鈴木照)をできるだけ抑えられるかを意識してやっていた。なるべくボールを触らせないようにインターセプトを狙ったり、ボールが入った時に前を向かせないように意識していた」と話す田口周篤、溝口晴(ともに2年)のCBコンビがチャレンジ&カバーを徹底し、粘り強く守備。24分には南浦和MF福島瑛太(2年)のフリーキックが枠上を捉えたが、埼玉栄GK稲村彪聖(2年)が砦として立ちふさがった。
そのままリードを守り切り、埼玉栄が1-0で勝利してリベンジ達成。指揮官は「(早い段階で先制点を決めての)同じような体験でしたけど、その時に比べたらだいぶ逞しくなったなというのは感じました」と話す。今大会は準決勝の尾間木中戦もPK戦で勝ち上がるなど勝負強さも。宇山は「(新人戦の頃は)試合前の行動だったり、チーム内の雰囲気が緩かった感じがあった。今回はそれを直して臨めて、自分たちの方が勝つっていう気持ちを強く出せた」と胸を張った。
石黒登(取材・文)
試合結果
埼玉栄中 1-0 南浦和中
1(前半)0
0(後半)0