出場志願の主将CBがCKからハットトリック、U-16日本代表MF長璃喜が公式戦初ゴール… 昌平が昨年の反省生かし、狭山ヶ丘に6発快勝!
令和5年度全国高校総体・県予選準々決勝が11日に行われ、プレミアEAST所属の昌平は後半に2失点したが、CB石川穂高(3年)がCKから3点を奪うなど6-2で狭山ヶ丘に快勝した。
頭にあったのは去年の同カードだ。昌平と狭山ヶ丘は昨年の総体予選でも同ラウンドで激突。終了間際のMF土谷飛雅(現3年)の劇的FKで勝利したが、引いた相手を崩せずに苦戦した。
10番のMF長準喜(3年)は「去年のことを思い返すと、前半に3点以上は決めたいというのはチームとして話していた。引かれる状況っていうのは想定していたので、その中で縦に速く、崩していこうと。中盤で回すよりかは、縦に速く、ゴールに最短でという話はしていた」と話す。
その言葉通り、立ち上がりから昌平は、土谷の配球から長準やMF大谷湊斗(2年)が積極的に前へ。すると前半8分、長準が右サイドを果敢に仕掛けてグラウンダーのクロス。これにニアサイドに飛び込んだ大谷がダイレクトで決めて、欲しかった早い時間帯の先制点をもたらした。
23分には土谷の右CKから石川が抜群の高さを見せてヘディングでゲット。31分には右MF前田大樹(3年)が縦に突破しクロスを送ると土谷がスルーし、ファーサイドのFW小田晄平(3年)がきっちりと決めて、試合前にひとつの基準としていた3ゴールを奪って前半を終えた。
一方、前半は攻めに出られなかった狭山ヶ丘も後半頭に反撃する。3分、左CKの2次攻撃でMF山本悠太(3年)が入れ直したボールがクロスバーを直撃。跳ね返りをMF貮百免稜也(3年)が右足ボレーで合わせて1点を返す。さらにその2分後にはカウンターから10番FW玉城昊輝(3年)が相手DFを剥がし独走。最後は右足で突き刺して5分で1点差まで追いついた。
それでも昌平は18分、土谷の左CKから石川が再び頭で決めてその差を広げると、27分には三度、土谷のライナー性の左CKを石川がしっかりヘディングで叩いてハットトリックを達成した。5月27日に行われたプレミアEAST第8節の市立船橋戦で右膝を負傷。総体予選も初戦は出場がなかったが、「ここで負けたら終わり」と出場を志願した主将のゴールで一気に引き離す。
また、昌平は後半7分からU-16日本代表のMF長璃喜(1年)がピッチへ。30日に開幕する「U-16 International Dream Cup 2023(インターナショナル・ドリーム・カップ)」は残念ながら怪我で辞退し、今大会も限定的な出場だが、兄・準喜のパスを受けながらサイドで積極的に仕掛けていた。31分には途中出場のMF西嶋大翔(3年)のスルーパスから絶妙なファーストタッチで相手を外し左足で蹴り込んで決めた。ちなみにこれが高校での公式戦初ゴールとなった。前半に引き続き、後半も3ゴールを重ねた昌平が6発快勝で大会連覇に向け、また一歩前進した。
石黒登(取材・文)
試合結果
昌平 6-2 狭山ヶ丘
3(前半)0
3(後半)0