第96回全国高等学校サッカー選手権大会 埼玉県1次予選 獨協埼玉 vs 三郷北
27日に行われた選手権埼玉1次予選代表決定戦。川口東高校グラウンドの第2試合はグループGの獨協埼玉高校と三郷北高校が対戦した。試合は開始10分で早々に2点を奪った獨協埼玉がその後さらに2点を加点。守備陣も最後まで0で抑えて4ー0で勝利し、ブロック代表の座をものにした。
獨協埼玉が開始早々の得点で流れをつかんだ。先制点は前半4分。右コーナーキックを獲得するとMF畔地未来のキックにFW齋藤樹生が飛び込んだ。
「身体能力も高いし、サッカー観もある。ああいうところに飛び込んでのシュート、ロングボールからのヘディングは彼がきちんと決めてくれる」(獨協埼玉・曽我部農生監督)。指揮官からの信頼も厚いエースが試合を動かした。
さらに6分後に追加点が生まれる。セットプレーのルーズボールが高く上がると、そのボールにゲームキャプテンのMF小野宗介がいち早く反応。ペナルティエリア手前の位置から力強く放たれたヘディングはキーパーの伸ばした指先を越えてゴールネットに吸い込まれた。
その後は三郷北に対し押し込まれる展開が続くも、獨協埼玉は戦前のプラン通りしっかりと自陣でブロックを形成。技術の高い選手が揃う三郷北の中盤には小野、高橋真のボランチコンビがしっかり対応する。ボールを持たれながらも、集中力を切らさずにうまくゲームをコントロールすると、前半34分に小野の左コーナーキックに高橋がファーで合わせて3ー0とした。
大きなリードを奪ったが、ハーフタイムには「相手は何度も県大会に出ているチーム。集中力を切らさないでもう一度しっかりブロックを形成しよう」(小野)と確認しあったという獨協埼玉イレブン。
後半開始直後から仕掛けてきた三郷北の攻撃をしのぐとダメ押しの4点目が決まる。
後半4分、左サイドでセカンドボールを拾った高橋がドリブルで中に食い込むと「キーパーの体重が左側に寄っていた」のを見逃さず。右の隅に落ち着いて流し込んでリードを広げた。
なんとか一矢報いたい三郷北は後半31分、35分とFW小澤翔馬がゴールに迫るが、最後まで獨協埼玉ディフェンスを攻略することができず。前後半の入り10分と要所できっちり得点を重ねた獨協埼玉が4ー0で勝利し、6月のインターハイに続き、2次トーナメント進出を決めた。
「点数差以上に接戦だった。先制点のあとにしっかりと守って、カウンターを狙うというのがうまく効いてくれた」と獨協埼玉・曽我部監督。
今年の代はトレセンにも選ばれているという10番の齋藤を中心とした縦に早いアタックがスタイル。加えてこの日3得点を生んだセットプレーに堅守と、力強さは強豪ぞろいの県でも大きな武器になりそうだ。
選手権2次予選は初出場だった昨年に続き2年連続2回目。昨年は1回戦で立教新座高校に敗れており、まずは1回戦突破が目標となってきそうだ。だが、その先には選手たちが合言葉に掲げる「スタジアムで!(ベスト8)」という大きな野望も持っている。
10月の本大会には一次予選には直前の負傷で間に合わなかった主将のFW水野歩も帰ってくる。「みんなが県に導いてくれた。ありがたいです」と仲間たちへの感謝を語ったキャプテンは「2次トーナメントには間に合うと思うのでそこで頑張りたい!」と活躍を誓った。
石黒登(取材・文)
試合結果
獨協埼玉 4-0 三郷北
3(前半)0
1(後半)0