浦和南DF安田航大は守備がベースも、攻撃でも存在感示し1アシスト/サザンクロスカップ

サザンクロス杯決勝・浦和東戦。浦和南は右SBの安田航大(3年)が推進力の高さを見せた。

「(関東予選やインターハイ予選では)守備がメインだった。相手も強かったですし、しっかり自分がやらないとやられるシーンが多かったので、そこは守備に重きを置いてやっていました。ただ、守備面に関してはしっかり出来ていたんですけど、関東とかは攻撃面があまり出来ていなかった。今日はサイドが行けそうだったので、そこで自分が行けたらと思ってやっていました」。

すると前半10分に魅せる。自陣ゴール前でボールを持った安田はそこから単独でカウンターを開始。「あれは行ける気がして。感覚的だった」。ひとりふたりと交わして敵陣の中盤まで運ぶと、「サイドの人もいて最後パスかシュートか迷ったんですけど、そこはシュートを打ちました」。右足のミドルは惜しくもポストを叩きゴールとはならなかったが、いきなり見せ場を作った。

そして前半18分には「大里がマイナスで完全にフリーなのが見えていて、あそこに出したら大里なら決めてくれるだろうと思った」と右サイドを鋭く縦突破してクロスからMF大里直也(3年)の勝ち越し弾をアシスト。「自分的にも攻撃的に行けた」と攻撃面での手ごたえを語った。

推進力の高さは長期離脱の際の経験が生きている。高校1年生の夏に怪我をすると、そこから肩の手術なども重なり、1年間の離脱。そこで松本コーチとともに取り組んだのが「ボールを使ったステップワークのトレーニング」だ。それを行うことによって「(ドリブルの感覚が)自然に身についていった」。いまでもそのトレーニングは時々行いながらドリブルの感覚を磨いている。

「スペースがどこに空いているのか。あとは相手がどっちに切っているかというのがなんとなくわかってきた。そこで逆をつけたら完全に抜けるので、そこを練習していきたいと思います」。

ドリブル力も魅力のサイドバックだが、「自分の役割は守備の1対1で負けないこと。南高としては守備が一番なので、そこはもうしっかりやっていきたいです」とベースはあくまでも守備。「自分は足が速いので縦に行かれても対応出来る力はある。まずはしっかり中を切って、外に行かれたら自分で取りにいくというのを意識しています」と守備面もさぼらず、また磨き上げた突破力で攻撃にアクセントを加えながら、選手権では昌平や武南、西武台へのリベンジを誓う。

石黒登(取材・文)