新潟入りを決めた小見洋太の素顔とは 盟友・須藤直輝も認める「ストイック」さと冷静な状況分析能力
28日、アルビレックス新潟入りが発表された昌平高FW小見洋太。ひとたびピッチに入れば、ボールを獰猛に刈り取るハンターになる小見だが、その素顔は超がつくほどの「ストイック」だ。
このコロナ禍では最初の1ヶ月間は「1日10時間」の自主学習。「この期間で進路というのもなかなか決まらず、大学に一般で行くということも考えていたので、その中で勉強しておけば再開した時に安心してサッカーに取り組めるというのがあったので勉強もしっかりやっていました」。ちなみに得意な教科は国語だそうだが、「実はそんなに好きじゃないんです(笑)」と笑う。
加えてこの空いた期間を使って過去の自分のプレーを振り返り「どういうシーンでシュートが多いか」を分析。そのフィードバックとしてひたすらにシュート練習に取り組んでいたという。
またシュート精度を上げるために「YOUTUBEの那須大亮選手のチャンネルでFWのシュートの極意みたいなものを鄭大世さんがやっていて、あとは興梠(慎三)選手がペナルティーエリアは遊び心を持てと。そういった活躍している選手を参考にしながら取り組んでいました」。
その結果、このコロナ禍では「うまく時間を有効活用できて、無駄な時間というのがほとんどなかった。有効に、その期間をプラスに変えられたかなというふうには思っています」と語る。
小見のストイックさについては以前、須藤直輝が話してくれたことがある。須藤と小見は帰る方角も、クラスも同じで「いつも一緒にいる」という、まさに盟友であり、ライバルのような存在だ。その須藤は両手を広げながら「いつもこんなに大きな、お重のようなお弁当箱を持ってくるんです」と小見の身体作りにおけるストイックさを紹介。「食事や就寝時間にも気を使っている。本当にサッカーにすべてを捧げている男といっても過言ではないと思います」と語っていた。
こちらから見れば“サッカー小僧”の須藤も十分「サッカーにすべてを捧げている男」だが、そんな須藤が言うからこそ説得力がある。
中学時代からの小見を知っている藤島崇之監督は今年初めのインタビューで「真面目だし、本当にストイックですよ」とした上で、ジュニアユース期の小見とのエピソードを明かしてくれた。
「洋太とは(LAVIDA時代から)いろいろと話をしていたんですよ。中学校の時も「何を狙ってたの?」とか、「どんな狙いでシュートを打ったの?」みたいな話をしていたら、わりと明確に言うんですよね。「こう狙ってました」とか「入らなかったけど、こう狙ってました」「こういうふうにタイミングを外してました」みたいな。本当にそういうプレーを言葉でも具現化できるというところもありました。そういう意味では面白い選手だっていう印象がありました」。
普段垣間見える温和な表情、そしてピッチに入った際のゴールハンターとしての顔の裏には、常に自分を律し続けられるストイックさとそれに裏打ちされた冷静な目がある。そんな小見洋太はプロ入り後もストイックに、そして冷静に状況を分析しながら、成長していってくれるはずだ。
石黒登(取材・文)