[女子選手権]花咲徳栄MF宍戸凜花、「絶対に決めてやる」強い想い持って振り抜き、2大会ぶり決勝導くゴラッソ

「前回決めきれなかった悔しさがあった。今日は『絶対に決めてやる』と思って入りました」。花咲徳栄はMF宍戸凜花(2年)が終盤に決勝点を奪い、チームを2大会ぶりの決勝に導いた。

準決勝の埼玉栄戦は持ち味のスピードで何度もサイドを切り裂いたが、ゴールだけがなかった。「自分の特徴はスピード。とにかく相手よりも自分の方が速いと思って縦に仕掛けた。でも決めきれなかったのが悔しい」。試合後には悔しさを見せていた宍戸が続く準決勝で結果で応えた。

川口市立戦は前半からゴールに迫り、29分には「準決勝からボールが変わったので、ゴロより浮き球の方が自分的に入るかなって」と、パンチ力のあるミドルシュートがゴール上を捉えた。相手キーパーの好守もありゴールとはならなかったが、前半からゴールの匂いを感じさせる。

後半も2年生MFが花咲徳栄のアタックを牽引。すると終盤の34分だ。FW吉谷地世菜(1年)のクロスに、ゴール前が一瞬緩む。「もう絶対クリアさせないと思って後ろから行きました」。宍戸はその瞬間、相手DFの隙を刈り取り、ボールを奪うと同時に反転。右足を一閃し、サイドネットへと突き刺した。これが決勝点となり、花咲徳栄は2大会ぶりのファイナル進出を決めた。

「もう絶対自分で決めたかった。シュートはサイドネットを狙えたので良かったです。前回はPKでギリギリ勝ったので、今回は延長もPKもなしで勝ちたかった」と宍戸。前回も準決勝で対戦した総体予選では1-1からのPK決着だったこともあり、80分での勝利に笑顔が弾けた。

昨年主将を務めた姉の楓花からは「『自分が行けなかった分頑張って』って言われて、絶対行かなきゃって思いました」。また、「3年生のラストは2位で終わるより、絶対優勝で終わった方がいい。自分たちの代も行きたいけど、今の代で絶対優勝して全国行きたいです」と力を込める。

決勝の相手は女王・昌平に決定。総体予選では0-1の接戦を演じたが、ゴールに迫る場面を作れなかったこともあり、「決勝は打ちたいと思ってます」。前からのディフェンスや球際を全員で全力で戦いながら、「もうギリギリでも、もう倒れても、シュートを打って決めれば勝ちだから、積極的に狙いたいです」。泥臭くでもゴールに迫り続け、決勝もチームを勝たせる1点を狙う。

石黒登(取材・文)