[女子選手権]昌平FW松井美優、仙台内定ストライカーが4試合連続弾を含む1G1A! 全国懸けた決勝へ勢い止まらず
WEリーグ仙台内定の注目ストライカーがチームを牽引している。昌平FW松井美優(3年)は準決勝の南稜戦で1得点1アシスト。これで1回戦から4試合連続(5点)でのゴールとなった。
「とにかく自分が攻撃の起点というか、自分が点を取るし、自分が点に繋がるプレーをしようと思っていて、(ボールを持ったら)どんどん相手を剥がして前に進むことを意識していました」
前半から左右、中央と顔を出しながら、力強いドリブル突破で攻撃を牽引。16分には松井の仕掛けからMF山田仁菜(3年)主将の先制点が生まれた。一方で「前半のうちに2点、3点決められたらもっと後ろに楽をさせられた」と反省。後半はよりゴールへの意識を研ぎ澄ましていく。
立ち上がりから決定機を作ると、11分だ。右サイドでMF勝山あゆみ(3年)がボールを持つと「ファーから入ってニアにもファーにも行けるような位置を取っていました」という松井はストライカーらしい嗅覚でコースに入り、クロスを頭で合わせて4試合連続となるゴールを奪う。
また、「相手を見ること。仕掛ける時にまだまだ落ち着けていないんですけど、いつもよりは力を抜いて逆を取ろうっていう意識というか、そういうのはあったかなと思います」。3回戦の松山女子戦では冷静にプレーできていなかったことを反省していたが、16分には得意のシザースで相手を置き去りにし、クロスでMF福島沙羅メヘル(3年)のヘディング弾をお膳立てした。
8月5日にマイナビ仙台レディースへの加入が発表。昌平から初のWEリーガーとなった。「決まった時はすごく嬉しかったですし、でもやっぱりここから試合に出られなかったら意味ないし、もっとやっていかなきゃだなって思うところがたくさんある」と、すでに気持ちを新たにする。
夏はほとんどの時間で仙台の練習に参加。「スピード感とか足元の技術とか、1つ1つのプレーがやっぱり正確だし、ミスが全然ない感じで。動き方とかポジショニングとか、すごく難しかったんですけど、その中でできたことは本当に意識的にもすごい良かったなって思います」と話す。
プロ内定選手として、いつも以上の警戒とプレッシャーを背負って臨むが、それらの重圧を跳ね返して昌平を2年連続の全国舞台に導く構えだ。だからこそ「もっとやらなきゃいけないです」。「点を取るし、アシストするし、もう早いうちに得点を取れるように最初からどんどん行って、優勝して、またあの全国の舞台に戻って、日本一を目指して頑張りたいです」と意気込みを語った。
この日は試合後の14時から、隣の熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で、仙台とちふれASエルフェン埼玉の試合が控えていたこともあり、仙台サポーターが松井の試合を観戦に訪れていた。「今日も来てくれてて。すごい応援を感じましたし、来てくれるんだって。ヘマはできないですね(笑)」。期待して応援してくれる人たちの想いも背負い、決勝でも勝利に導くゴールで応える。
石黒登(取材・文)