[総体]昌平の注目10番、MF山口豪太は2試合連続のアシスト。「全員の気持ちを背負って」残り3つ勝つ

昌平はリトリート気味の相手守備に苦しむ中で、10番MF山口豪太(3年)が決定機を生み出す貴重なコーナーキックを供給。前半28分、ふんわりとした軌道で中央へ送ったボールを主将・伊藤隆寛(3年)が頭で合わせて先制点を奪取した。「県予選の浦和南戦と同じ感じで、相手のキーパーが小さくて、そこに上げればタカが合わせてくれると思っていた。狙い通りでした」。

これで2試合連続のアシスト。山口は「一応、毎試合点には関われてるので、とりあえず早くゴールが欲しいですけど、チームのやるべきことをやって、守備だったり、裏にもっと走ったりを徹底したい」。前回の試合では7本のシュートを放ちながら無得点。「ちょっと悔しいですけど、ここまで勝っているので、大事なところで取れればいいかなと」と次戦以降でのゴールを誓った。

準々決勝は大津(熊本)との大一番だ。「自分たちが上に行くんだっていう強い気持ちにして、大津を喰って、また(決勝に)戻って2連覇できるようにしていきたいです」。昨年も初の日本一に貢献した山口だが、「やっぱり日本一を取ったのは去年の話なので。今年は2連覇できるのは自分たちだけなので、そこにチャレンジしていけたらなって思います」と強い想いを示した。

今大会はさまざまな人の想いを背負ってピッチに立つ。大会初戦となった2回戦と同日に行われた全国高校野球選手権・埼玉大会決勝では野球部が初の全国にあと一歩手が届かなかった。

「野球部も結構応援してくれていて。そこはサッカー部も野球部もめっちゃ仲良いので。サッカー部の部員もなんですけど、ここまで応援してきてくれて、その応援を力に変えて勝てたらいいなと思います」。今夏も2回戦の川口、5回戦の上尾戦は山口も現地観戦し、声援を送っていた。

高校通算49本塁打のプロ注目スラッガー・櫻井ユウヤ(3年)はクラスメイトであり、親友でもある。「めっちゃ仲良いので。(大会前には)お互い“頑張ろう”って声をかけ合っていた」という。野球部の県決勝の後には「なんか見に行くかもみたいな。来てたかわからないですけど。でも、応援してくれていたので、その応援が今日勝てたことに繋がったかなと思います」と話した。

「(長)璃喜もそうなんですけど、みんなから刺激をもらいながら、櫻井が活躍したら自分も嬉しいですし、そこはお互い頑張っていきたいなって思います」「埼玉県代表としても、昌平代表としてもここまで来てるので、このみんなの、ここまで応援してきてくれている保護者とか応援団の分も絶対まだ勝ち残んなきゃいけないので、そこの全員の気持ちを背負って、自分が戦っていけたらなって思います」。親友の想いやさまざまな人たちの想いを背負って、残り3つも勝つ。

石黒登(取材・文)