[学総]本太中GK太田隼磨、準決勝&決勝でも好守を連発! 指揮官絶賛の「守護神」がさいたま市制覇の立役者に

田中秀幸監督も「あの子抜きだったら、1回戦から負けてたかもしれない。いまチームでMVPは誰って言ったら、あの子です」と絶賛していた本太中の守護神。太田隼磨(3年)が準決勝・決勝でもビッグセーブを連発し、チームを6試合連続の1-0勝利でさいたま市制覇へと導いた。

「キーパーは1人。自分しか止められる人がいないっていうのをまず考えて、守護神としてベンチの人の分も責任を持って出てるので、意地でも止めてやるっていうところで頑張りました」

さいたま市となって以降、初優勝がかかった市大会決勝は尾間木中と対戦。「尾間木や南浦和には練習試合とかで負けている。借りは返さないといけないなっていう感じでした」という守護神は風上の前半得意のキックからのアシストも考えながら、まずは失点しないことを意識。25分に相手の直接FKを止めると、クロスやシュートを次々と防いで後ろからチームを勇気づけた。

30分に相手アタッカーに抜け出された場面では果敢に前に出て決定機を阻止。これが直後の先制点に繋がった。流れを引き寄せるビッグセーブだったが、「やっぱりCBとの信頼関係があってこそ、前に出て自分がコースを消して止めるっていうことができると思うので、成田(良汰)くんと(草野)史隠くんには感謝したいです」とディフェンスラインへの感謝も忘れなかった。

風下の後半は特に終盤は苦しい時間が長かったが、仲間とコミュニケーションを取りながら堅守を継続。最後までネットは割らせず、6試合連続の無失点で悲願のさいたま市制覇を果たした。

太田は今年2月にGRAMADOから本太中に転籍。最初のうちはなかなかフィットしなかった期間もあったが、徐々に仲間との連携を深め、現在ではチームに欠かせない存在となっている。

直前に行われた県南リーグの美園南中戦では成長を実感。「美園南中戦から本当に守備力が安定してきた感じがあって、美園南も1-0で勝って、そこもやっぱり自分が止めて0に抑えきれたっていうところがあるので、そこがやっぱり学総で出たのかなっていうふうに思います」。3回戦では新人戦県大会準優勝の南浦和中を撃破。また、本人も「一番手応えを感じた」という準決勝の東浦和中戦でもスーパーセーブを連発し、リーグで敗れた相手にリベンジした。終わってみれば決勝戦も含め、6試合連続のウノゼロ(1-0)勝利でさいたま市の頂点に駆け上がった。

憧れのチェフやクルトワのように、「自分も何があっても止める、そういう守護神になりたい」と話す太田は「やっぱり県大会は聖望とか、自分たちが倒した南浦和とか、尾間木とかがいる。こういう大会で勝ってても、県大会で負けてたら意味がないので、そういった強いところにも今日と一緒で0で抑えて、さらに攻撃面では得点数を増やすっていうところを意識して頑張っていきたいです」。強豪揃いのさいたま市を無失点で勝ち抜いた守護神は県大会での躍進を誓った。

石黒登(取材・文)