西武台MF広瀬陸、流れを一気に手繰り寄せたブレ球FK弾!新人戦決勝で2G2Aの活躍
関根雄太監督も「広瀬の1点がちょっと多分衝撃というか、向こうのダメージがでかかったんじゃないかなと思います」というMF広瀬陸(2年)の直接FK弾が試合の流れを引き寄せた。
新人戦決勝の武南戦、西武台は前半12分に警戒していたセットプレーから失点。先制点を許し、このまま悪い流れになってもおかしくはなかったが、このムードを変えたのが広瀬だ。22分にゴール前でFKを獲得すると、ブレ球のキックをゴール右上隅のここしかないコースに決めた。
指揮官も「僕たちもあんなのを持ってるとは知らなかったので(笑)」というブレ球のFKはyoutubeなどで独学で学びながら一人蹴り込んできたもので仲間たちはその存在を知っていた。
その前の同距離からのFKは蹴らなかったが、「やっぱり練習は何回もしていたので。杉山幸一郎にも「蹴ってこい」と言われたので、自信を持って蹴ることができました」。仲間の信頼を力に、自信を持ってゴールに突き刺した1点が試合の流れを力強く引き寄せるきっかけとなった。
その後もほとんどの攻撃に絡みながら決定機を演出。勝ち越して向かえた後半6分には飛び込んでくる相手を中盤でいなしFW太田和希(2年)のゴールをアシストすると、39分には「結構体力的にもきつかったんですけど、コースが見えたので行こうと思いました」。左サイドでボールを持つと、狭いエリアを2人、3人とスラロームドリブルで交わして自身2点目を奪った。
さらに「守屋(保)先生に2点目を決めたあとに「アシストもしてこい」って言われていたので」という広瀬は40+4分、ドリブルで切り込み、敵を十分に引きつけて最高のラストパス。「正直自分は3点目を取ってハットトリックをしたかったんですけど」と笑ったが、途中出場のFW今野翔(2年)のゴールをお膳立て。この日は全5ゴール中4点に絡むなど獅子奮迅の活躍だった。
今大会は体調不良で初戦は不出場。2回戦から復帰したが、なかなか体力的な部分が戻らず、仲間たちがゴールに絡む中で目に見える結果は残せていなかった。決勝は「絶対に結果を残してやる」と臨み2ゴール、2アシスト。「前の試合とかは全然ダメダメで、結構気持ち的にも落ち込んでいた部分が多かったので、決勝でこういうプレーができたっていうことは良かった」と話す。
ジュニア年代は個の育成に定評のあるアビリスタの出身で、チェルシーのMFコール・パーマーが好きと話すMFは相手を剥がすドリブルやラストパスが武器。また、攻撃面に目が行きがちだが、「最初の守備が自分は結構得意なので。その守備に行けなかったりしたらプレーもあれになっちゃうので、結構最初の守備っていう部分では意識していました」と話す広瀬は得点以上に守備面での手応えも語っており、その守備面での好調が攻撃面にも良い影響を与えたようだ。
「守備のメインの選手でもあるんだけど、攻撃も全然うまいよっていうような、両方できるような選手になりたい」「やっぱり全国に行きたいですし、まだ埼玉優勝しただけなので。まだまだプリンスリーグだったり、インターハイ、選手権って繋がってくると思うので、そこでしっかり全部勝ちきれるように、一喜一憂しないで毎日コツコツ練習して、もっと上を目指していきたいと思います」。さらに攻守で違いを作れるような選手に成長し、今年はチームとともに上に行く。
石黒登(取材・文)