痛み止めを飲んで出場し、最初のプレーで決定機も 正智深谷MF赤川空音「人一倍また努力して強くなって、止められない選手になりたい」
正智深谷MF赤川空音(3年)は大会1週間前に左足を肉離れ。1回戦も出場はなかった中で2回戦の東福岡戦は痛み止め飲んで、スコアレスの後半開始から初の選手権のピッチに立った。
「迷惑をかけていたので、自分が出て絶対に勝たせるという気持ちだった。前半を見ていて、サイドからもっと攻めれば、クロスとか上げれば全然点は入るなと思っていた。自分がサイドで起用されたら、どんどん1対1を仕掛けてクロスまで上げてチャンスを作ろうと思っていました」
すると出場30秒でいきなりビッグプレー。右サイドでボールを持つと、果敢に縦に仕掛ける。「シュートの意識は常に持っていて。右足のシュートも練習していた」。相手を抜ききらずに放った強シュートはキーパーの好守に阻まれたが、ファーストプレーで得点の匂いを感じさせた。
10分にも右サイドで仕掛けてクロスからチャンスを作り出す。しかし、18分にチームは先制点を喫すると、その後は試合巧者の東福岡に押し込まれる場面が増え、終了間際にも失点。赤川自身もなかなか攻めることができず、「自分がもっとサイドでボールを受けて、ドリブルで仕掛けていけば、もっとチャンスができたのかなって、点が入ったのかなと思いました」と悔やんだ。
「自分たちの代になって、そこで気合いを入れて、人一倍努力して絶対に勝ってやろうという気持ちで、毎日遅くまで練習したり、いろいろなものを犠牲にして選手権のためにかけてやってきた1年でした」。武器のドリブルも見直しながら、身体作りなどピッチ外の部分も意識してきた。
「(この1年は)自分で努力してやってきたことを、やっぱりチームのためにやれたと思うし、これからももっと人一倍また努力して強くなって、止められない選手になりたいなと思います」
卒業後は関東1部・東京国際大に進学する。「大学は今日みたいなプレミアとか、プリンスのチームから来る選手が多いと思うので、その中でも自分が対等にやって、試合に出て活躍して、大学4年間を通してプロになりたいと思います」。まだまだ線も細く、大学サッカーでやっていくためにも身体作りはひとまずのテーマ。そのうえで「自分は50メートル6.1秒とかで、そのスピードの部分とドリブルのキレとかは自分の武器。そこはこれからも見て欲しいし、磨きます」とドリブル突破にも磨きをかけて、4年後のプロ入りに向け、また人一倍努力して強くなる。
石黒登(取材・文)