森田光哉監督も「めちゃくちゃ効いていた」と話す２年生ボランチが後半、状況を好転させた。

ホームに流通経済大柏を迎えた昌平は、前半相手のプレスの速さに苦戦。トラップ際を寄せられて引っかけてしまうシーンも多く、なかなかいつも通りの攻撃を展開することができなかった。

それでも後半はボールを動かしながらアタック。キーとなったのがMF山田仁菜（２年）だ。

「サイドに展開することを意識しました」。右ボランチは中盤でボールを引き出しながら左から来たボールを的確に右のサイドハーフへ。また、同サイドのサイドバックの攻め上がりにも目を配りながら配球するなど、攻守の繋ぎ役としてチームにリズムを与え、１－０勝利に貢献した。

中学の頃はSB、ボランチ、高校も最初はボランチ、今年の新人戦はSHをやった中で再びボランチへ。「まだ受けられないこともあるんですけど、前に比べてボールが受けられるようになってきたので、そこはよくなってきたと思います」。また、足下の技術もあり、「ドリブルなんかでちょっと剥がしてパスを出したりすることが得意なので、そこを見てもらいたいです」と話す。

前日には来季のキャプテンにも指名。「自分でやっていけるか不安なんですけど」としつつ、「みんなと協力して、信頼してもらえるようになりたいです」とプレーで、姿勢で信頼を勝ち取る。

昌平はこの日の勝利で勝ち点を「27」まで伸ばし、関東２部リーグで２位のポジションを確定。来季は強豪チームが顔を並べる関東１部リーグに昇格する。「楽しみです」と話す山田は「来年はもっと今年よりもレベルが上がって、強いチームが多いと思うんですけど、そこでも勝っていけるように、来年まであと何ヶ月かでもっとレベルアップして、来年に繋げたいです」と語る。

また、間近に迫った選手権に向けても意気込み。「全国だからって緊張しないで、パスを繋いだり、守備も強く行って、いつも通りのプレーをやったら勝てると思うので、いままでやってきたことを出せるように頑張ります」。全国でも強力攻撃陣を下支えする中盤のリンクマンに注目だ。

石黒登（取材・文）