「悔しいんですけど、やっぱり楽しかった」聖望学園DFペイトン有玖主は晴れやかな表情で高校サッカーを終える
「負けて、もうこのチームでやることはないから悔しいんですけど、でもやっぱり自分的には良いプレーもできたと思うし、負けたんですけど、やっぱり楽しかったっていうのはありました」
DFペイトン有玖主(3年)はそう高校年代最後の試合を振り返った。聖望学園は来季のプリンス関東2部入りをかけた参入戦1回戦で鹿島アントラーズユースBと対戦し、0-2で敗れた。
チームは11分に左右に揺さぶられ失点。その中でも「強度の高い相手なので、結構球際とかやりあったんですけど、そこのところだったり、自分の得意な仕掛けとか、そういうのも結構出せた」「自分のクロスだったり、シュートだったり、そういうのでチャンスを作っていきたいと思っていた」という右SBは果敢なドリブル突破でサイドを抉り、クロスからチャンスを作った。
終盤は右SHに上がった中で「あの時にシュートまで行けたら良かったなと思います」。チームは最後までゴールを目指したが、ネットを揺らすことができず敗戦。それでも「もう本当に(自分たちのスタイルを)出せたと思いますし、みんなも自分と変わらず、やりきったっていう感じがあったので、いままでやってきたものは出せたと思います」。そう言った顔は晴れやかだった。
「もうこの新チーム結成当初から、この代は埼玉で一番を狙えるってみんな思っていたので、それを実現できるように1回1回の練習とかも手を抜かずにやったりとか、球際の強度もいま一度、もう一段階、二段階上げてやっていこうっていう感じでやっていました」。その中で今年は1年間を通して安定した強さを見せてS1リーグを制し、聖望学園に初タイトルをもたらした。
「今回プリンス参入できなかったのは(後輩たちに)本当に申し訳ないなっていうのがあるんですけど、また来年リーグ優勝して、プリンス参入と、あと選手権だったり、インハイも全国に出てくれたらと思います。(あいつらなら)やってくれると思います」と後輩たちに想いを託した。
卒業後はアメリカの大学に進学予定。「向こうでプロになって、そこからヨーロッパでサッカーしたいっていう夢があるので、そこに向かって日々努力していきたい。自分の得意な部分ももっと伸ばしていきたいし、苦手なところも4年かけて克服していって、いまより数倍もレベルアップしていきたいと思います」。高校での充実した3年間を胸に大学でも成長し、夢を叶える。
石黒登(取材・文)