聖望学園FW太仲貴哉、持ち味の「背負うプレー」で攻撃牽引。前節はリーグ初制覇導く2点!
最終節も1トップで収めに収めた。8日のS1リーグ浦和南戦で聖望学園の185cmの長身FW太仲貴哉(3年)は前線で起点となり、2アシスト。チームの6-0勝利に大きく貢献した。
最前線でポイントとなりながら、ボールを持てば鋭い突破で切り込み攻撃を牽引した。2-0で迎えた前半38分には左サイドでボールをキープし、10番MF田中翼(2年)のゴールをアシスト。さらにその3分後には再び中盤でボールを収め、抜け出した田中のゴールをお膳立てした。
山本昌輝監督も「前線に関しては彼の成長が大きかった」とリーグ制覇の一因としてCFの成長を挙げる。いまでこそ太仲の代名詞となっている収めるプレーだが、「2年生の選手権のときは自分(準決勝の)浦和南戦に出たんですけど、そのときに全然収められなかったんです」と話す。
チームとしてもこの敗戦の課題からフィジカルトレーニングが増えたが、それ以外にも個人で「ジムに行って、部位ごとに鍛えるようになった」。ネットなどで調べながら自主的にフィジカルアップに取り組んだ。シーズンのスタートこそ、定位置奪取とはならなかったが、徐々にトレーニングの成果も出始め、得意の「背負うプレー」で、最前線で欠かせない存在に成長を遂げた。
選手権予選では2度目の4強進出に大きく貢献。「選手権のときは負けないと思っていましたし、昌平のときも相手はプレミアだったんですけど、自信しかなかったです」。その昌平戦ではセットプレーから2点に絡んだ。起点にもなった一方でFWとしてはノーゴール。「特に最後の正智深谷戦では自分が決めていれば勝ったんですけど、決められなくて悔しかったです」と悔やむ。
その悔しさを晴らすべく臨んだ前節の立教新座戦では0-0の後半、CFらしく前線でボールを要求し、十八番の背負うプレーからペナルティキックを獲得。これを自ら決めて先制点を奪うと、その後も裏に抜けたボールに対し、うまく身体を入れてマイボールにし、DFをずらして奪うなど、2得点。他会場で2位、3位が敗れたため、これが聖望学園を初優勝に導くゴールとなった。
卒業後は関東大学リーグの大学に進学予定で4年後のプロ入りを目指す。その前に向かえる参入戦。「選手権では自分のゴールで勝てなかったので、絶対に自分のゴールで勝って、後輩たちにプリンスっていうものを残したいです」「自分の良さの背負うプレーを生かして点を取ります」。フィジカルの強い選手の揃う鹿島ユースB戦でも前線で確実に収め、自らの得点で勝利を狙う。
石黒登(取材・文)