浦和学院FW橋本秀太、約5ヶ月ぶりのゴールが37年ぶりのファイナル決める決勝弾に!6月に第5中足骨を骨折、支えてくれた両親にも感謝
「もう気持ちいいの一言で。本当にもう4、5ヶ月ぶりのゴールだったので。(怪我で)試合もあまりできていなかったので、やっとFWとしての仕事をできた」。浦和学院のCF橋本秀太(3年)に生まれた待望のゴール。それはチームを37大会ぶりのファイナルに導く決勝弾となった。
強豪・西武台との準決勝。0-0の7分、橋本は前線で収めにいったプレーで右CKを獲得する。「マンツーでしっかりついてくるチームだったので、どう振り切るかっていうのを今週ずっと練習していた」。縦一列になって相手につかせづらくするとDF秋澤聖(3年)のキックの瞬間にMF佐藤大心(3年)の合図と同時にニアへ。そして自信を持ってヘディングで叩き込んだ。
得点後は大きく咆哮し、「どうだ!」と言わんばかりのガッツポーズ。「本当に気持ちよかったです」と噛みしめた会心の一発は総体予選準々決勝の浦和東戦以来、約5ヶ月ぶりのゴールだった。
また、ゴール外の部分でも「自分の良いところは人より走ったり、チームのためにっていうのを意識して走れたかなって。自分から守備に行って、どんどん嵌めていくっていうのはチームプランであったので」と前線からしっかりとプレスを怠らずに、チームを助けるプレー。前で収めきれなかったところは課題としたが、69分に交代するまでチームの勝利のためにプレーし続けた。
総体予選を3位で終え、選手権に向けてここから進んでいこうとスタートした矢先の6月30日、S2Aリーグ第8節・浦和東との試合で右足の第5中足骨を骨折。ボルトを入れる手術を行った。
最後の選手権出場も脅かす大きな怪我。実際、橋本も「本当は正直復帰も難しいっていう状態だったんです」と明かす。その中で県大会1週間の韮崎との練習ゲームでラスト10分間ほどプレーして実戦復帰。「うまくくっついてくれて。問題なくできているので、お母さんとお父さんには感謝です」。食事面などさまざまな場面で惜しみないサポートをしてくれた両親にも感謝する。
この日は苦しい期間も支えてくれた両親や祖父母も観戦に来てくれていたという前でチームを勝たせる最高の活躍。「本当に良かったです。スタジアムに連れて行くっていうのが最初の目標ではあったんですけど、それはできたので、あとは点を決めるっていう、結果で見せるっていうことをしたいと思っていたので頑張りました」。しっかりと結果を残し、家族への感謝も届けた。
今大会は限定的な出場だが、その中でも3回戦の大宮南戦では、途中出場から怪我の期間にベンチプレスなどで鍛え上げ、「インターハイの昌平戦で投げたときより飛んだなっていう印象があった」というロングスローで決勝弾を演出。準々決勝の武南戦からはスタメンも取り戻している。
「100点とはまだ言えないんですけど、決勝でも点を決めて勝たせられたら100点かなって」。悲願の全国へあと1勝と迫ったが、「全国っていうのは見ないで、とりあえず目の前の試合を勝ちきるっていうのを、誰よりも走って、誰よりも頑張ってやりたいです」。ファイナルでも持ち前の全力プレーと声で前からチームを鼓舞するのが自分の役目。その先にタイトルを掴み取る。
石黒登(取材・文)