正智深谷FW小西聖七、値千金の決勝点!最後まで走りきり、「負けられない」と話す左足で強烈なシュートも

「ここで決めたら流れが変わると思ったので。しっかりゴールを決めることを意識しました」。正智深谷は前半35分、コーナーキックからの混戦にFW小西聖七(3年)が右足でボレーシュート。こぼれ球に今度は左足ボレーで決めて均衡を破るゴール。そしてこれが決勝点となった。

「自分の役割はサイドに流れて、相手の裏を取って、ゴールまで行くっていうのだったので、自分が何回も走って、相手の裏に抜けてゴールまで行けて良かったです」。準決勝は終盤に足を吊らせるまで走りきり、追加点とはならなかったもののクロスからチャンスを作る場面もあった。

また、前半16分にはMF吉田匠吾(3年)の縦パスに抜け出ると、切り返しでディフェンスを剥がし左足を鋭くスイング。「左利きで強烈なシュートが武器なので、ここで1本打っておこうかなと思って」。シュートは惜しくもキーパーのセーブに遭ったが、得点の匂いを感じさせた。

チームでレフティというと、今大会も正確なキックで直接FKに、CKにと得点を生み出すDF鹿倉颯太(3年)がいるが、左足なら小西も自信がある。2人は中学時代も同じカムイJrユースの出身で「負けられないです」。正智深谷の左足は鹿倉だけじゃないぞとライバル心を燃やす。

前期はなかなかトップチームに絡めず、関東予選もメンバー入りはしたが試合出場はなかった。それでも左SBから前線にポジションを変えた後期リーグ戦から出場機会を掴み「相手の裏を取って、相手のディフェンスラインを下げて、どんどん前に押し込む」という良さを出しながらチームでの定位置を確保。今大会も連続出場を続け、初戦の伊奈学園戦ではゴールも記録している。

8年ぶりの冬の全国出場にあと1勝。「相手のディフェンスラインの裏を突いて、ゴール、アシストに絡んでいければ」。決勝も自分の役割をまっとうしながら結果を出してチームに貢献する。

石黒登(取材・文)