聖望学園DFペイトン有玖主、憧れの存在と同じ「7」をつける攻撃的右SBが昌平戦で2発

総体王者・昌平に2得点。聖望学園の攻撃的右SBペイトン有玖主(3年)が準々決勝で輝いた。

聖望学園は1-1と追いつき迎えた前半22分、MF遠藤浬(3年)の右CKをファーでDF菅野陸斗(3年)が折り返し、FW太仲貴哉(3年)がヘディングシュート。これは相手に防がれたが、敵味方入り交じった混戦となった中でペイトンが押し込んで勝ち越しゴールに成功する。

「コーナーからのこぼれ球はしっかり狙っています」というペイトンは3回戦の細田学園戦に続き、セットプレーからの2試合連続弾。また、今季は185cmの長身FW太仲をポイントとした攻撃が増えており、昨年と比べれば攻め上がる機会は減ってはいるが、その魅力は攻撃参加だ。

その輝きを見せたのが勝ち越し弾から3分後の25分だ。聖望学園は敵陣中央左でセカンドボールを拾うと、この試合セットプレーとともにキーとしていたショートカウンターを発動する。

MF小山晃也(3年)、遠藤と繋ぐと「やっぱり自分の持ち味はスピードを活かしてのオーバーラップ」と話すペイトンが右サイドを駆け上がる。遠藤からのパスをトップスピードのまま受けると「練習でもあそこのゾーンからのファーは練習していた」という攻撃的SBは右足を振り抜き、対角に決めて貴重な2点目。2点差としたこの1点は試合終盤まで王者にとって重く響いた。

後半は耐える時間帯が長くなった中で対面のU-17日本代表MF長璃喜(2年)に対し、「彼、めちゃくちゃうまいので。やっぱり本当にボールを持たせたらキツいなと思ったので」とまずはボールを入れさせない守備を意識。そのうえで1対1になった場面でも粘り強く対応していた。

この日は36分に交代となるまで攻守に奮闘し、総体王者撃破に大きく貢献。「やっぱり守備でも結構貢献できたと思うし、攻撃でもサイドバックなんですけど2点取ることもできて、勝利に絡めたのは良かった。(自分の出来としても)今年で一番良かった」と会心の勝利を振り返った。

目標とする選手はクリスティアーノ・ロナウドだ。「あんなに高いレベルになっても、自分の努力を怠らないで、ずっとやり続けるっていうのは、すごいかっこいいなと思って。自分も真似しています」。今季はロナウドの代名詞である「7」をつけてプレーする攻撃的SBが、成長することをやめない憧れの存在のように常に自分を磨き続けて、この大舞台で特大の輝きを放った。

石黒登(取材・文)