浦和学院DF御武内龍吾、「守備に自信」のCBが攻撃でも大仕事! 98分に頭で劇的決勝弾
「守備に自信」のCBが攻撃でも大仕事。スコアレスの時間が長く続いた中で浦和学院は延長後半8分、セットプレーの流れからDF御武内龍吾(3年)が劇的決勝弾でチームを8強に導いた。
2大会ぶりの準々決勝進出をかけ、浦和学院は3回戦で大宮南と対戦。前半から多くの時間で浦和学院がボールを握って進めていた中で、御武内はボールを持って前進しつつ、後半から4バックへの変更で左SBに入った秋澤聖(3年)につけながら攻撃の起点作りを意識していたと話す。
また、「カバーリング能力とか対人能力、あと競り合いとヘディング、守備に自信を持っています」というCBは相方の上村龍生(3年)とともに相手のカウンターを徹底して潰す動き。後半37分にはこの試合唯一の決定機を作られたが、しっかりとカバーに入りゴールはさせなかった。
今季は同じS2A(県2部A)リーグに所属し、浦和学院が2戦2勝。「負ける気はしなかったので」と語るが、なかなか点が取れない状況に「めちゃくちゃよぎりました。蹴らなきゃいけないのかって…。やっぱり好きじゃないので、PK」と苦笑いを浮かべながら正直な想いを口にする。
それでも試合終了間際に試合が動く。浦和学院は後半に投入されたFW橋本秀太(3年)がロングスローで相手DFに圧。「(ロングスローが)何回もあったじゃないですか。本当は中に行きたかったんですけど」としながらも仲間を信じて待つと延長後半8分、橋本のロングスローからFW宮本翔(3年)が競ったボールがファーサイドで構える御武内のもとへ。押し込むことを意識したというヘディングは混戦となりながらキーパーの脇の下を抜け、ネットに吸い込まれた。
PK戦も覚悟していた中で、98分目にしてついに破った均衡に、ゴール後は仲間たちの喜びが爆発。御武内も「もうすごい嬉しかったです。めちゃくちゃホッとしたっす」と笑顔で振り返った。
2大会ぶりの8強進出だが、「次の試合も全員で勝って、昌平にリベンジしないといけないので」と気持ちを引き締める。6月の総体予選ではのちに日本一に上り詰める昌平と準決勝で当たり、0-5と大敗。「個人のレベルの差を感じました。やっぱり1人1人の質が昌平はめちゃくちゃ高かった」と話すが、実際にそのレベルを体感したことで練習の強度や意識も上がったという。
御武内もチームメイトのドリブラー、MF佐藤大心(3年)を仮想・昌平に見立て、「あいつとマッチアップする時とかも絶対に負けないように気持ちを、闘争心を持ってやっていました」という中で成長。「夏でやってきたことを全部出せれば絶対に勝てると思う。一戦一戦集中してやっていきたい」とこの夏の成長を見せてリベンジするためにも、まずは目の前の戦いに勝つ。
石川