後半は特化してきたハイボール対応で存在感 市立浦和の2年生GK堀田悠空が目指す「チームを救う」絶対的な守護神

前半はミスなどもあり、立ち上がり20分で2失点。それでも「自分は結構自信があるタイプ。自分は落ち込んだら一番ダメかなと思ったので、チームを救ってやろうと思ってやりました」という市立浦和GK堀田悠空(2年)がその後の武蔵越生の攻撃をゼロで抑えて勝利に貢献した。

特に後半はクロスやセットプレーなどハイボールへの対応で安定したパフォーマンス。ハイボールは大場雄一GKコーチと今年1年特化してやってきたそうで「そこで一個練習の中で自信がついて、試合の中でチャレンジしようっていうのを話していた中でチャレンジしてできたことは良かったと思います」。また、延長前半9分には相手の決定機に飛びついてピンチを救った。

前日の練習で9本中6本を止めており、自信を持って臨んだPK戦ではストップこそなかったが、堂々と正対し相手のミスを誘発。「5分の3は止めたかったなっていうのが正直なところなんですけど、ただ本当にみんなうまいので、1本止めればいいかなくらいのメンタルでやって、止められてはいないんですけど、チームの勝利に貢献できて良かったなと思います」と語った。

取り組んできたハイボール、キックに加え、「コーチングは監督にも評価してもらっていますし、結構トレセンとかに行っても「声いいね」って言われるので」という「声」は堀田の持ち味だ。

この日も的確なコーチングをベースにしつつ、時間帯によってさまざまな声を使い分けながらチームをまとめあげ。また、「自分本当にサッカーが好きでよく見ているので。結構戦術観もあると思っている」という守護神は相手の状況を見ながらその都度、自信を持って声をかけていた。

昨年は1年生ながら正GKとして選手権デビュー。準々決勝で敗れたものの、大観客の前でスタジアムでのプレーも経験した。「スタジアムは最高なので。絶対行きたいですね」と力を込める。

「去年は2、3年生に本当に助けてもらった。(2年生になって)今年はチームとしてもう一回上の景色を見ようとやっている中で、自分が絶対に救ってやるという気持ちでやっています」。

スタジアム進出をかけた3回戦の相手は正智深谷に決定。今季S1リーグでは前期が1-4、後期が0-6で敗れているが、「ただそのリーグ戦から自分たちは変わっていると思うので、絶対にその変わった姿を見せて勝てればなと思います」。その中で「本当にチームを救うなっていう印象があるので、自分もああいうふうになれたらなって思っています」というブラジル代表GKアリソンのような「チームを救う」絶対的な守護神として勝利に貢献し、あの舞台に必ず戻る。

石黒登(取材・文)