聖望学園MF小山晃也、リーグ戦躍進の立役者。得点の取れるボランチが選手権初戦で2発
「リーグ戦もそうですけど、やっぱり小山が点を取れるようになったっていうのは一個、うちのストロングポイントが増えたっていうところかなと思います」(聖望学園・山本昌輝監督)
指揮官もリーグ戦躍進のキーマンに挙げる得点の奪えるボランチが初戦から躍動。聖望学園MF小山晃也(3年)は国際学院との選手権1回戦で2ゴールの活躍を見せ、3-0勝利に貢献した。
立ち上がりから押し込んで進めた中で前半23分、カウンターの流れから中盤でボールを受けると、右WGの野元里晟(3年)に叩いて、自らはゴール前へ。FW太仲貴哉(3年)のポストプレーから抜け出しエリア内に入り込むと、左足で冷静に沈めて今大会チーム初ゴールを奪った。
25分にはペナルティキックを獲得したが、失敗。「少し見過ぎてしまって。練習通り蹴ろうとしたんですけど、ちょっと弱くなっちゃって、コースも甘かった」。それでもそこで引きずらず、「自分の中で気持ちの切り替えがすぐにできた」というMFは2-0で迎えた後半40分、再びペナルティキックを得ると、「今度はもう強気で、絶対に決める」と右隅に蹴り込んでみせた。
小山はひとつ上の代でも主力としてプレーしていたが、昨年はMF市原憐やMF浅田愛斗ら攻撃的なポジションにタレントも多かった中である程度守備に徹してプレー。その中で今年は「守備もそうなんですけど、やっぱり守備だけやっていても勝てないなと思うので、自分が得点に絡んでチームに貢献したいなっていう想いがあります」と意識的にも変化が。4月のS1リーグ開幕戦でも「攻撃面でもどんどん点とかアシストとか結果も出していきたい」と抱負を話していた。
そして迎えた今季リーグ戦では中盤底ながら16試合で12ゴールを量産中。持ち前のハードワークで相手の運動量が落ちてきた後半に前に出てフリーで受ける形や太仲のポストプレーのこぼれ球を決める形、また「自分でもミドルシュートも何本か決めているんですけど、そういうところも自信を持って振って行けているのかなっていうのが最近の印象です」と好循環を話す。
一方で「2ゴールっていう形でチームに貢献できたのは嬉しいんですけど、もっともっとやれたなっていうのが正直な感想で。これで満足していたら全然自分の中でもダメだと思います」。
この日は初戦の難しさからトラップのわずかなズレやいつも通りにプレーできない場面も。「得点に絡むのはもちろんなんですけど、守備のところもしっかり怠らず、プレスバックだったり、どんどん走ってチームに貢献したいと思います」。「自分がチームの中心だと思ってやっています」と語る聖望学園リーグ戦躍進の立役者がトーナメントでも引っ張り、初タイトルに貢献する。
石黒登(取材・文)