昌平MF大谷湊斗「ゴールの意識しかなかった」 頼れるキャプテンが初の決勝進出に導く2発!

やはり最後にやってくれるのはこの男なのだ。初の決勝進出をかけた準決勝の帝京長岡戦。昌平はキャプテンのMF大谷湊斗(3年)が立ち上がりに2得点を奪い、初のファイナルに導いた。

「自分も最初から行こうっていう話は全体でしていたので、玉田さんからも言われてましたけど、桐光学園戦の反省を活かして、今日は前半から飛ばしていけたのでよかったと思います」

準々決勝の桐光学園戦の反省を活かし、立ち上がりから仕掛けていった昌平の口火を切ったのは大谷だった。前半5分、ドリブルで持ち上がると「右足で持った瞬間からゴールは意識していて、左にコースが見えたので振り切りました」と右足を一閃し、ゴールネット隅に突き刺した。

さまざまな選択肢があった中で「自分自身結果も求めてやってきているので、シュートしか考えていなかった」と大谷。玉田圭司監督が明かす。「大会の少し前に話して、お前はビルドアップもできるし、ゲームも作れる。でも一番怖いのは、相手に脅威を与えるためには得点、アシストだよと」。玉田・昌平のキーとなる2列目の仕掛けとゴール。それを体現しての先制点だった。

さらに14分には2点目。MF長璃喜(2年)のシュートがブロックされたこぼれ球を「良いところにこぼれてきて、もうゴールの意識しかなかったので、気持ちで押し込んだっていう感じですね」という大谷が右足ダイレクトでゲット。今大会、昌平は先制点から2点目を奪うのに苦労する試合が多かったが、早い時間帯で取り切ったこのゴールがこの日の決勝ゴールとなった。

対戦した帝京長岡のCB山本圭晋(3年)とは大谷の父が代表を務めるT3サッカースクールでジュニア時代に一緒に汗を流した仲。今年はU-17日本高校選抜にもともに選ばれ、プレーした。「昔からの知り合いとこの準決勝でやれたっていうのはすごい楽しい時間でした」と振り返る。

初優勝をかけた決勝の相手は神村学園に決まった。世代屈指のFW名和田我空(3年)を擁し、5試合25得点と攻撃に特徴を持ったチームだが、攻撃という部分では昌平も負けてはいない。

大谷は「自分たちも攻撃には自信がありますし、守備も安定してきている。攻撃の部分では自分たちはまだ勝っていると思うので、その部分で違いを見せて、圧倒して勝てたら」と意気込み。「優勝するなら自分たち代」と話す頼れる主将が決勝でも違いを見せて、初の日本一へと導く。

石黒登(取材・文)