昌平MF大谷湊斗、待ちに待った“全国初弾”含む1G1Aも「次取ってこそホンモノ」 ここからのゴール量産誓う

待ちに待った全国初弾を含む1ゴール1アシスト。玉田圭司監督も「チームの心臓」と認める、MF大谷湊斗(3年)主将が2回戦の帝京安積(福島①)戦で4ゴールを奪ったチームの攻撃を牽引した。

昌平は前半6分、10番MF山口豪太(2年)のクロスにFW鄭志錫(3年)がヘディングで決めて先制点。ここから一気に畳みかけることが期待されたが、中盤以降は苦しい時間帯が続いた。

大谷も10分、エリア前の鋭い切り返しから右足で惜しいシュート。さらに13分には真骨頂である中盤からのドリブルの運び出しから自ら狙っていったが、枠を捉えることができなかった。

「個人としても枠に飛ばなかったのは課題ですし、守備の部分で前半はハマらず、後半やり方を変えたんですけど、前半のところで気づいて修正していたらもっと点を取れたかなと思います」

それでも後半は昌平が相手を呑み込む。追加点は大谷のアシストからだった。「豪太がカットインした時に「ここにくれ」っていう話はしていて、その流れでテンポ良くチソに出せた」。再開わずか2分、山口からボールを預かると間隙を縫うようなスルーパスで鄭の2点目を演出した。

さらに12分には自身のゴールも生まれる。「豪太がすごい質の良いキックが蹴れるっていうのはもうみんなわかっている。豪太がカットインした時には自分も中に入るっていう意識はしていて、良いところに蹴ってくれたのであとは合わせるだけでした」。山口のクロスにディフェンスの目が鄭に向いていたのを見逃さず、ファーサイドに入り込んでヘディングでゲットした。

今大会初ゴールは嬉しい全国初ゴール。1年の夏は途中出場で4試合に出場。選手権で定位置を掴み、昨冬も2年生ながら中軸として活躍した大谷だが、意外にもこれまでノーゴールだった。

「練習とかやっている時には点もアシストもしていたので、試合形式になるとやっぱり状況も違いますし、自分自身、結果を求めてやってきたので、今日得点を取れてホッとしています」。

一方で喜びを見せつつ、「この圧倒した試合で点を取れたのは良かったんですけど、次から厳しい試合になってくると思うので、その中で点を取ってこそ『ホンモノ』だと思うので、次も貪欲に狙っていきたい」。「チームが勝つことが第一」だが、その中でも「もちろん得点王を狙っている部分もありますし、こうやって注目してもらえている中で結果ももちろん出さないといけない」と話す昌平の心臓が待望の全国初弾からゴール量産体制に入れば初の日本一も見えてくる。

石黒登(取材・文)