川口西中FW小松大馳、志願の後半出場。前日の県トレで3発の注目2年生ストライカー

志願の後半出場だった。川口西中の注目2年生FW小松大馳は市大会決勝前日の県トレ活動で雨に足を取られ、股関節を負傷。「アップから違和感があった中で試合に臨んだんですけど、足を伸ばした瞬間にやっちゃって…」。決勝は開始6分で一度ピッチを降りることとなった。

すでにチームは準決勝で県大会出場を決めており、週末には県リーグの戦いを控えている状況。横田純一監督も休ませる方向で考えていたというが、2年生ストライカーの心は違った。

「やっぱりスタメンとして出させてもらっていて、応援してくれる人もいて、みんなの分を背負っている感じなので、その中で勝手に自分の都合でやめるのはちょっと違うなと。チームにも迷惑をかけるし、やり切るしかないなって。今日はやる日だなと思ったので、ちょっといろいろなことを思い浮かべながら、支えてくれる人がいたので頑張れると思ってやりました」

仲間や保護者、監督やコーチ、この日会場に駆け付けた校長先生、いろいろな関わってくれている人の顔を思い浮かべたという小松は、指揮官に志願する形で後半再びピッチに立つ。

足の違和感もあり、なかなか思い切り踏み切れないところもあったが、28分にはDF大森幹也(3年)主将のフリーキックから持ち味の高さを見せてバックヘッド。延長戦からはボランチでプレー。「ヘッドで負けてしまうところもあって、点も取れなかった。真ん中に下がった時も全然活躍できなかったので、そこはやっぱり練習しなくちゃダメかなと思います」。出てきたのは反省の弁だったが、それでも最後までピッチの上で戦い抜き、タイトルに貢献した。

今年は県トレの活動にも参加。「本当に小学校の頃はそんなことは考えてなかった」という小松は「県トレでラヴィーダやワンエフとかの人とやらせてもらって、いま自分がどのような状況なのか、どのような力があるのか、得意なところはなんなのか、逆に弱いところはなんなのかっていうのを気づかせてくれるところ」と話す、トップレベルの環境でも腕を磨いている。

前日の栃木トレセン戦では3発。「いろいろと運が重なった部分もあったのかなっていう感じですけど、でも結果を残せて良かったです」。身体の強さや空中戦、スピードでも負けなかったと話す中で「ボールロストの回数が多かったので、そこは課題点かなと思います」。足元の技術は今後に向けた課題に。それでも「中学生になる前は絶対に通じる部分がなかった中で、中学生になって通じる部分が増えたのかなと思います」と自分の成長を前向きに感じている。

「いまのところじゃまだ全然なので、これから夏を通じて、この暑さを通じて、体力とかも上げていって、自分に負けない力をつけていきたいです」と話す2年生の注目FWは「学総は2年生ですけど、しっかり結果を残して、チームを県大会優勝に導ける、優勝できるチームのストライカーみたいな、そんな感じを目標にしていきたい」と成長と結果を掲げる夏へ向かう。

石黒登(取材・文)