正智深谷MF近藤七音、決勝で2アシストの活躍! エフタマの先輩MF大関友翔に憧れ磨いた「逆を取るパス」でも存在感
タイトルをかけた決勝で2アシストの活躍。正智深谷の10番、MF近藤七音(3年)について小島時和監督も「やっぱりあいつは核になる。近藤の活躍は大きいと思います」と認めていた。
試合を動かした先制アシストは前半36分。MF吉田匠吾(3年)のパスカットからの攻撃でボールを受けた近藤が決定的なスルーパス。これを初スタメンのMF栗原エイト(3年)が沈めた。
「センターバックとの距離感が結構伸びるっていうのは見ていて思ったので、最初エイトには「外狙って」と言っていたんですけど、途中で中が開いているなと思ったので、エイトに「中狙っといて」と2人で話していた。ボールを受けた瞬間にあそこが空いているのが見えたので出すだけでした」
さらにその後同点とされ迎えた延長前半11分にも再び点に絡む。左サイドのMF赤川空音(3年)が仕掛けると、こぼれや赤川のカバーに入れる位置にポジショニング。こぼれ球に対し、「ボールを持った瞬間は自分で打とうと思ったんですけど、あそこで右からディフェンスが滑ってくるのが見えた」。最後まで冷静に状況を判断し、パスを選択。吉田のゴールをアシストした。
得点に絡む部分以外でも「調子が良かった」というこの日は中盤でボールをほとんど失わず。また、「(自分の強みは)相手の逆を突くパスとミドルシュート。(逆を突くパスは)相手を見て、顔を上げてプレーしているので、相手のちょっとした動きとか、味方の動きを見て、わざとこっちに出す雰囲気を出して逆を取るとか、結構意識してやっています」と話していた司令塔は意外性のあるパスで正智深谷の攻撃を牽引。今大会は試合を経るごとに判断のスピードもアップ。「そこも成長できたと思います。自信もついてきて、あまり焦らないでプレーできた」と話す。
好きな選手はバルセロナ時代のイニエスタ。また、持ち味の「逆を取るパス」は中学校年代で在籍したFC多摩ジュニアユースで間近で見て、憧れたある選手に強く影響を受けているという。
「エフタマの2個上に大関友翔選手がいて、そのプレーを見て、すごくうまくて、かっこいいなと思って、それでそれ(逆を取るパス)を中学で覚えました」。U-19日本代表で今季は川崎フロンターレから福島ユナイテッドFCに育成型期限付き移籍し、プロ初ゴールを挙げるなど、順調にキャリアを重ねる大関は「本当にレベルが違った」。「大関選手も多分、フィジカルはそんな強い方じゃないと思うんですけど、それでもどんなに強い相手でもいなして、結果を残してきている。参考にしています」。今季は大関が川崎U-18でつけたのと同じ「10」をつけてプレーする。
2大会ぶりの関東予選制覇を果たしたが、目指すのはその先。「インハイ、選手権は昌平、西武台が出てくる。西武台には新人戦で負けているし、昌平はやっぱりいま埼玉では抜けているみたいな感じになっているので、しっかりと潰して、昌平と西武台を目標にというよりは、そこに勝って全国を目標にやっていきたい」。そのためにも「やっぱり自分が結果を残して、怖い選手になれるようにやっていきたい」と語る10番が攻撃の牽引役となり、チームを久々の全国に導く。
石黒登(取材・文)