先制点失うも勝負を決める2点目は与えず、昌平DF佐怒賀大門「集中力を持って80分間できた」
劇的勝利で2年連続の16強に進出した昌平。先制点を許したが、ゲーム主将の佐怒賀大門(3年)、坂本航大(2年)の両CBを中心に勝負を決める2点目を与えなかったことも大きかった。
「村松さん(村松明人監督)から、試合の前日からずっと米子北さんの2トップが驚異だという話は聞いていて、今日のゲームはセンターバックがキーになるというのは聞いていた」(佐怒賀)
10番の森田尚人(3年)は今夏の全国高校総体で得点ランク2位(3得点)に入った点取り屋、9番の鈴木颯人も2年生ながら実力者で、ここをいかに食い止めるかが試合のカギを握った。
その中で佐怒賀は相棒の坂本とともに密に連携を取りながらチャレンジ&カバーを徹底。「ずっとディフェンスラインで声を掛け合っていましたし、2トップに対して絶対に3枚残すっていうことで徹底していたので、そこは怖がらずに、良い対応ができたなと思っています」と話す。
前半最後には浮き球に下がりながらの難しい対応だったが、坂本がチャレンジにいった裏にしっかりとカバーリングに入り、相手の決定的なシュートに最後足を出してブロックしてみせた。
後半7分にゴール前の混戦を詰められ失点したが、終盤にかけてチームが攻めている時にこそ「常に準備をしていた」。勝負を決める2点目を与えず、すると昌平はラストワンプレーで途中出場のMF長璃喜(1年)が沈めて劇的な展開で同点とし、PK戦の末に3回戦進出を決めた。
前半、後ろ重心になってしまったボランチをコーチングで修正できなかったこと、「ちょっと緩くなった部分もあった」と話す失点シーンは反省するところではあるが、カウンターや2トップにうまく対応。「集中力を持ってディフェンスラインは80分できたかなと思います」と話した。
これで2年連続のベスト16。「去年は次の試合で負けたので、ここを乗り越えて、ベスト8の壁をとりあえず越えたい」。試合後、負傷で予選、本大会とマネージャーとしてチームを助けるキャプテンの石川穂高(3年)からは「見ててめちゃくちゃ疲れたみたいに言われました」と苦笑い。次は試合を通して盟友を安心させられるようなゲーム展開でまずは昨年の記録を超える。
石黒登(取材・文)