プレミア5校が揃う“死の組”も、昌平DF佐怒賀大門「すごく楽しみ」 昨年のリベンジ、主将の想い背負い「優勝旗を埼玉に持ち帰る」

第102回全国高校サッカー選手権の組み合わせ抽選会が20日に行われ、2年連続6度目の出場となる昌平は1回戦で奈良育英(奈良)との対戦が決まった。ゲーム主将のDF佐怒賀大門(3年)は「日本一の夢を叶えるために、良い準備をして初戦を迎えたい」と意気込みを語った。

奈良育英は3年連続16回目の出場。今夏は全国高校総体にも出て初戦敗退となっているが、全国3位になった日大藤沢(神奈川)にPK戦までもつれ込んでいる。佐怒賀も「インターハイも出ていて、県予選も勝ち抜いているということで力があるのはわかっている」と気を引き締める。

Bゾーンは昌平も含め、青森山田(青森)、静岡学園(静岡)、大津(熊本)、米子北(鳥取)と東西プレミア5校が揃う“死の組”に。「正直、そこら辺が入った時はちょっと驚いた」というが、「でも勝ち上がっていけば当たるということですごく楽しみ」とワクワク感の方が強いと話す。

今季は高校最高峰の舞台・プレミアリーグに初参戦。「本当に毎週全国大会をやっているような感覚。勝ち負けはありますけど、そこで培ったものは自信になっていますし、県予選でもそれは結果に出た」。スーパーシードとなった県予選は準々決勝の細田学園戦こそ苦戦したが、準決勝は今季3冠の武南に快勝。決勝は浦和南に総体予選のリベンジをする形で大会2連覇を飾った。

予選後初戦となった18日の旭川実業戦は佐怒賀の決勝点で勝利し、すでにプレミア残留は決定。8強で激突する可能性のある青森山田との対戦を含め残り2節となったリーグ戦やここからの成長が鍵を握るが、「必要以上の緊張感は持たず、練習から楽しんで、いつも通り練習していければ成長していける。プレミアを通しつつ、成長していって全国に向かっていきたい」とした。

個人としても全国は昨年、怪我のDF津久井佳祐(鹿島)に代わり夏4強進出に貢献しているが、冬はベンチ入りしたものの出場はなかったため、今大会が主力として臨む初の選手権となる。「もうすごく楽しみ。いまは全然まだ緊張はしていないですけど、ずっと小さい頃からの夢の舞台なので、そこに立てることをいま想像しただけでも、本当に楽しみですね」と表情を輝かす。

FC LAVIDA2年次だった第98回大会では、後半ATのMF篠田大輝(日体大2年)のゴールで劇的勝利を飾り、昌平初の選手権8強入りを決めた3回戦の國學院久我山戦を現地観戦し「めちゃくちゃ痺れて、この舞台に立ちたいと思いました」。その舞台に立つ瞬間を心待ちにする。

「日本一という目標を去年叶えられなかったので、今回叶えるために、また良い準備していきたい。チームキャプテンの石川(穂高)のためにも、責任感持って、全国の優勝カップを石川に掲げてあげたいと思ってますし、優勝旗を本当に埼玉に持ち帰っていきたいと思っています」

目標ももちろん「日本一」。昨年夏4強、冬16強で敗れたリベンジ、そして怪我で無念の離脱を強いられた主将のDF石川穂高(3年)の想いも背負い、42年ぶりに埼玉に優勝旗を持ち帰る。

石黒登(取材・文)