昌平MF三浦悠代、驚きの起用も途中出場から全国決定づける2点目! 指揮官も認める「簡単に」ゴールを陥れるスキル
県予選決勝、昌平は1-0で迎えた72分、途中出場のMF三浦悠代(2年)がカットインから右足を振り抜いてゲット。敵将も2失点目を悔いていたように、この1点が全国を決定づけた。
準決勝の武南戦は大量リードの終盤に出場した中で、この日は早い時間帯に出番が回ってきた。
35分、左SH山口豪太(1年)に代わりピッチへ。村松明人コーチはこの交代について「少し相手との兼ね合いで考えると、(相手との)接点が生まれないような形でボールをもらえる選手の方がいいなと思って、少し中と外の関わりっていうことができる」三浦を入れたと説明する。
調子は上げていたが、準決勝後の練習でもレギュラー組には入っておらず、本人としても驚きの起用。「自分も前半の途中からとは思わなくて。出るなら勝っている状況で最後くらいかなと思ったのでびっくりしました」と苦笑いするが、自分が出た時のイメージはしっかりとできていた。
アイドリングの5分を終え、後半は味方と連動しながらドリブルやパスで左サイドを活性化。その中で「自分がもっと点差を広げてやろうと思っていた」とゴールも虎視眈々と狙っていた。
すると72分だ。左SB前田大樹(3年)からボールを受けると、カットインから右足で仕留めた。その直前にも同じような形から決定機を迎えた中でしっかりとコース、タイミングを微調整。「2回目の方が余裕があったので、落ち着いて打つことができた」と今度はゴール右隅に運んだ。
ちなみにこれが本人曰く公式戦初ゴール。それをこの大舞台で手繰り寄せたMFは「出る前は(緊張)しましたけど、ピッチに入ったらあんまりっていう感じです」と強心臓ぶりも見せた。
「人と関われるし、ひとりでもやれる。あとは簡単に点を決めるんですよ。1個前のシュートもそう。ドリブルからバンッて簡単に決めちゃうのでそれがあいつの良さだと思う」(村松コーチ)
得点シーンも決して簡単なゴールではないが、それを「簡単に」見せてしまうスキルの高さがある。今季はプレミアリーグも経験する中でさらに落ち着きも。「力がない分、ボールをもらう位置も良いですし、スピードも人とちょっと違う感じでニュートラルでまあまあ速い。スピードの緩急とかも無理なく挙げたり、落としたりできるので、意外と相手も対応しづらいと思います」。
まだ、公式戦の出場数も少なく、「練習から良いプレーをしてまずは試合に出たい」というように出場時間を増やすことやそこからのレギュラー奪取が目標。昨年決勝でゴールを決めてレギュラーを奪取したMF大谷湊斗(2年)のようにこのゴールをきっかけにジャンプアップする。
石黒登(取材・文)