西武台MF大塚恭生、総体予選はメンバー外のドリブラーが今季公式戦初ゴール含む2発! 後半は相手の逆を取るドリブルで翻弄
夏前までのチームでの位置づけは「プリンスのベンチ」だったというアタッカーは、さまざまなポジションを経験しながら成長し、選手権予選初戦で今季の公式戦初ゴールを含む2発――。
西武台にとって初戦となった2回戦の成徳深谷戦に先発した左SHの大塚恭生(3年)は前半、「ピッチが濡れていたので、ワンタッチツータッチでプレーすることを意識」してプレーする。
その中で前半23分、FW竹内奏海(2年)のクロスに外側から内側に絞って合わせて先制ゴールを記録すると、36分には味方のシュートのこぼれ球を空いているゴール左隅に流し込んだ。ちなみに先制点は今年の公式戦での初ゴール。そこからの2発に「嬉しかったですね」と喜ぶ。
「2点決めてから調子いいなと自分で思って、ドリブルも結構足元に吸いつく感じでできたので、もう今日は仕掛けようと思いました」。雨も弱まった後半は声援をすぐ近くに感じながら果敢に仕掛け。特に際立っていたのが逆を取るプレーで、相手を抜き去る度に歓声が沸いていた。
「相手の重心を見て、とにかく逆を突くこと。もともとそんなに足は速くないので、相手のタイミングをずらすことで抜くことを意識しています」。好きな選手は全盛期のエデン・アザールで「相手の逆を取るドリブルとか、寄せられても足でブロックする」プレーは参考にしている。
23分にはこのドリブルで獲得したフリーキックからCB谷口輝(2年)がゴール。30分にはスルーパスでFW遠藤秀悟(2年)のゴールを演出するなどこの日は全ゴールに絡む活躍だった。
そんな大塚だが、夏前までの立ち位置は「プリンスのベンチ」で6月の総体予選はメンバー外。うまさはあったが、「ハードワークだとかそういうところに甘さがあった」と守屋保監督はいう。
それでも今季はボランチや右サイドバック、後期の國學院久我山戦ではセンターバックにもトライし、その中で勝つ喜びを知り「チームを勝たせることに貢献したい」という想いを強く持つように。指揮官も「この夏くらいから意識が高くなって、頑張るようになってきた。自分のやりたいことだけじゃなくて、チームのためにやろうというのは成長だったかなと思います」と話す。
また、「いろいろなポジションをやることによって、相手のフォワードがどういうことをしたら嫌なのか、自分が逆にどういうことをされたら嫌なのか、わかるようになってきた」というように守備的なポジションでのプレーは自分の武器であるドリブルを活かすことにも繋がっている。
「自分たちが1年生の時に3年生が優勝して、全国の舞台に立っているのを見ているので、自分たちも全国の舞台に立って、全国で活躍したいです」。西武台として11年ぶりの全国出場を果たした先輩たちに並び、越えていけるように。「ゴールに絡むプレー」でチームに貢献する。
石黒登(取材・文)