昌平FW新垣杏奈、圧巻ハットも仲間に感謝 初優勝へ鍵握る10番「流れが悪い中でも点を」
初優勝を狙う昌平はFW新垣杏奈(3年)が試合早々の圧巻のハットトリックで勝負を決めた。
前半4分に金澤道(2年)の左コーナーキックから決めると、7分にはMF伊藤万桜(3年)のシュートのこぼれ球をシュートモーションからワンフェイク入れて落ち着いて流し込んだ。
14分には先制点の金澤とのホットラインから「金澤さんと目が合ったので。それで絶対に来るなと思って、裏に抜け出しました」とクロスにフリーの状態で抜け出して右足でゲットした。
開始15分でのハットトリック達成。「自分も3点取りたいっていう気持ちはあったんですけど、周りからのパスのおかげ。周りに助けられて取れた3点だと思います」と仲間たちに感謝した。
得意のドリブルがあまりできず、考えるスピードももっと上げていかなければと反省していたが、その中で今大会は「流れが悪い時に点数が取れるっていうのはチームとしても大きいと思う。そういう場面で点数を取れるように、自分自身頑張って行きたい」とゴールに強いこだわり。昨年は1点を取られた後や流れが悪い時に自分たちのペースを取り戻せず敗れることもあった。
埼玉栄戦も立ち上がりに悪い流れになりそうな場面もあったが、その中でチームに流れを引き寄せる3ゴール。1年次からレギュラーとして出場するFWは「(この2年間)経験値の高い相手と練習試合や試合をやってきて、その経験も大きい」と話す。この1年は課題の決定力を伸ばすべく、自主練で取り組み。「カットインからのシュートとかも増やしていきたい」と意気込む。
これから先はこれまで以上に劣勢となる時間帯も多くなる。昌平悲願のタイトルへ、その鍵を握る10番は「流れが悪い中でも」点を取ってチームに良い流れをもたらし、初優勝に牽引する。
石黒登(取材・文)