西武台DF横谷崇梧 プリンス初出場、7か月ぶり実戦復帰のCBが今季初の「0」に貢献
西武台は開幕から2戦2勝の昌平に対し今季初のクリーンシート達成。長期離脱から復帰し、これがプリンス初出場となったDF横谷崇梧(3年)も集中した守備で初の「0」に貢献した。
この日は右のストッパーとして出場した中で「相手の11番と14番と8番にボールが入ったらしっかり押さえるというところで、とりあえず強く行こうと思って離されないように頑張りました」と武器の対人の強さを生かしてまずガツンと当たって前を向かせないことを意識。また、相手の決定機にはグイッと身体を入れてボールを奪い取るなど、3バックを形成したDF長谷川智紀(3年)、DF河合陸玖(3年)とともに昌平の強力攻撃陣を1試合を通して抑えきった。
高校2年生の半ばに右ひざの半月板を故障。すぐにオペが入り復帰までには4か月間を擁した。守屋保監督も成長著しい横谷に期待しており、実際にCBの序列では3番手と選手権予選ではスタメン出場もあり得た中での怪我による離脱。同大会では4番手だった河合がレギュラーを務め優勝に貢献した。プリンス昇格戦や全国大会もメンバー入りは叶わず「悔しい想いをした」。
年明けにようやくチームの練習に復帰。そこから1か月ほどかけて身体を戻していた最中、2度目の怪我が襲う。2月中旬に行われた駒澤大との練習試合。横谷は185cmの長身を生かした空中戦で存在感を見せる。指揮官も「駒澤大学のトップにも競り勝っていて、「おーやれるじゃん!」と。ヘディングも高さがあって楽しみだなと」と可能性を再確認していた矢先。その試合で着地した際に左手をついてしまい、左ひじを脱臼。今度は復帰までに2か月を擁することになった。
そういった中で4月の終わりに再復帰。まだ左ひじにはサポーターも残る中で約7か月ぶりとなった実戦で埼玉の覇権を争う強敵・昌平相手に堂々パフォーマンス。「やっぱりいままで迷惑をかけていた分も、しっかり自分がここで勝つことで応えたいなと思っていたんですけど、今回無失点で抑えられたのは大きな一歩かなと思います」とまずは第一歩目に手ごたえを示した。
「点を取られないということはもちろんなんですけど、そこからチームの点にも貢献出来るようなCBになりたい」。セットプレーでのゴールももちろん、課題の足元の技術を磨いてビルドアップにも関われるように成長して攻守両面で活躍出来る選手となり、これまでの借りを返す。
石黒登(取材・文)