武蔵越生MF安西歩夢、“市浦キラー”が再び先制点! 昨冬は課題だったフィニッシュに磨き

武蔵越生の“市立浦和キラー”。MF安西歩夢(3年)がまたしてもチームに先制点をもたらした。

昨年10月に行われた選手権予選1回戦で武蔵越生は市立浦和と激突。試合はスコアレスで折り返した中で後半途中出場した安西が先制点。この1点で流れを握り、2-0で勝利を収めた。

今年は3センターの左ワイドとしてスタメンとして出場した中で「(ゴール出来る)自信はありました」と振り返る。前半は守備時は5バックで守る相手の守備網を崩すことが出来なかったが、安西にボールが入り始めた後半は、チームとしてより効果的な攻めが見られるようになった。

さらに後半は”振り抜く意識”がアップ。2分にはやや距離のある位置から右足を強振し目の覚めるような弾丸ミドル。惜しくも枠を逸れたが、これで「打てば入る」という感触を掴むとその1分後にセットプレーのこぼれ球に飛び上がりながら右足ボレーでゴールネットに突き刺した。またその直後にも枠は捉えられなかったものの、三度振り抜きゴールに迫る気持ちを見せた。

試合はその後、同点とされたが、延長戦も粘り強く戦いPK戦へ。1本のリードを持って巡って来た先攻・武蔵越生の5人目は安西。「もう攣っていて、譲ろうと思ったんですけど、やっぱり自分で決めたいなと、その気持ちが勝って5番を志願しました」。スポットに立つと、練習からずっと決めていたという左に蹴り込んで、100分を超える死闘に自らの右足で終止符を打った。

持ち味はスピードを生かしたドリブル突破。井上精二監督も「前に行く力が強いし、シュート力もある」と評価する。一方で「これまではあまりシュートは得意じゃなかった」と安西はいう。その課題を克服するべく練習を重ね、関根拓郎(3年)らレベルの高いキーパーと相対する中で「練習していて(成長出来ているという)実感はあった」。この日は打つ機会がなかったものの、コントロールカーブでコースを突いていくようなシュートも今後は狙っていきたいという。

「去年は先輩たちに助けられたのが大きかった。そのおかげで自分も決めることが出来た。今年は自分が積極的にシュートを打って、ドリブルして、チームのためになれればと思っています」。

石黒登(取材・文)