「愛される選手に」昌平GK佐々木智太郎、清水エスパルス加入内定記者会見 全文レポート

20日、昌平高にて来季より清水エスパルスに入団するGK佐々木智太郎の加入内定記者会見が行われた。同校からのプロは19人目(高卒は16人目)。今回は会見の全文をお届けします!

藤島崇之チームディレクター

改めまして皆様こんにちは。学校法人昌平学園の法人本部事務局長、またサッカー部のチームディレクターという形でチーム全体を統括しております藤島と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

本日はお忙しい中、佐々木智太郎の清水エスパルス加入内定記者会見ということで足を運んでいただきまして、どうもありがとうございます。本学園として、高校卒業としては16人目になるんですかね。大学卒業がいま3人いますので、本校卒業生としては19人目のJリーガー誕生ということで、大変嬉しく思っております。

また、今回このような形で素晴らしいチャンスを与えていただきました、ゼネラルマネージャーの反町さま、またスカウトをはじめとする清水エスパルスの皆様、本当にありがとうございます。

私の方からは少し、佐々木智太郎の紹介の方させていただければと思います。佐々木ですが、我々昌平高校サッカー部と練習環境やスタッフも共有して活動するFC LAVIDAというクラブチームに所属しておりました。中学校3年間、FC LAVIDAに所属し、高校は昌平高校のサッカー部で活動、実質6年間、我々スタッフとともに頑張ってきてくれました。

本当に真面目な性格で、何事も一生懸命取り組むという部分はありますけども、中学校年代はなかなか出場機会に恵まれず、正直公式戦は中学校時代は1試合しか出ていなかったんですが、もちろん我々としては身体能力的な部分だったりとか、パーソナリティの部分も本当に評価をしておりまして、高校年代でもしっかりと力をつけて活躍してくれるという気持ちで育ててまいりました。

高校2年生からはプレミアリーグをはじめとする全国でもトップレベルの大会でもレギュラー選手として出場し、高校3年生においてはもう守護神として、8月の全国高校総体では初めての全国優勝という形に、もう本当に非常に貢献してくれたなという風に思います。選手権はちょっと残念ながらベスト8敗退ということで、大変悔しい結果に終わりましたが、個人としてはU-17の日本代表等にも選考され、本当に良い経験をさせてもらっています。

また、今回清水エスパルス様の方に練習参加も数回させていただいた中で、本当に日々成長する選手ということで、GKコーチの加藤(大地)とも話をしていますが、常にやっぱり成長を求めてやる姿勢という部分に関しては、やっぱり本当にゴールキーパーとして非常に必要な要素かなとも思っております。そういった形の中で、今後ゴールキーパーですので、1ポジションしかないという状況で、プロの先輩たちにも色々とご指導いただきながら、また色々求められてる部分と自分自身でやっぱり整理をしていく力という部分も養ってもらいながら、今後の成長につなげてもらいたいという風に思っています。そういった意味で、今後もぜひご期待いただければと思います。どうぞよろしくお願いします。

玉田圭司監督

皆さんこんにちは。改めまして、昌平高校監督の玉田です。よろしくお願いします。

智太郎とは今年1年携わらせてもらいまして、本当にさっき本人にも話したんですけど、性格的にすごくキーパーに向いてるのかなというところは僕の中にはすごくあって、聞く耳っていうものもすごくありますし、常に学びたいというところも日々彼の行動だったり、行いだったりっていうものを見て感じています。

キーパーっていうものは藤島も言いましたけど、ポジションが1つしかない。そういう中でそのポジションを守っていくっていうことはすごく難しいことではあるんですけど、僕は1年間、彼を信頼してピッチに送り出すことができました。もちろんキーパーっていうものは難しいポジションで、1つのミスがすごく大きなミスになってしまうっていう部分がすごくありますし、ご存知の通り、インターハイは優勝することができたんですけど、1回戦でトモも自分でもわかっていると思うんですけど、ミスがあって、そういう中で勝ち切ることができて、決勝戦、彼のビッグセーブで優勝することができた。すごくそういうものを何か持っているのかなっていうのはありますね。

キーパーに向いてるっていうのは、僕が思うのは、やっぱり1つのミスを引きずることなく、何事もなかったというにプレーすることができる。それはすごく大事な部分ではあると思うし、キーパー以外でも、フィールドプレーヤーでもそうだと思うんですけど、そういうことができるっていうことはキーパーにも向いていますし、プロにも向いてるのかなと思っています。

そういう中で、選手権には負けてしまいましたけど、あとプレミアリーグが残り3試合あり、自力で優勝することはできないですけど、なんとか3連勝して、プレミアファイナルに行くことがいまの目標ですし、彼の力が本当に必要になってくると思います。そういう中で良い形で彼をプロの道に送り出してあげたいなと思うのが僕らの目標でもあるので、そういうところも見てもらいながら、彼の成長も見てほしいなと思います。よろしくお願いします。

佐々木智太郎選手

皆さんこんにちは。来季より清水エスパルスに加入します、昌平高校の佐々木智太郎です。本日はお忙しいところ、昌平高校にお集まりいただき、ありがとうございます。また、このような場を設けてくださった昌平高校に改めて御礼申し上げます。

幼い頃からの目標としていたプロサッカー選手としてのキャリアを、清水エスパルスという歴史のあるクラブでスタートにできることを心から嬉しく思います。いままで自分を育ててくれた家族であったり、指導していただいた指導者の方々、先生方、そして日々目標を共有し、切磋琢磨しあうチームメイト、すべての方々のおかげで自分は今日を迎えることができているので、すべての方々に感謝を忘れずにこれからも頑張っていきたいと思います。

そしてこれからプロとしての責任を持って、子どもたちから目指されても問題のないような人間であり続けられるように日々精進してまいりますので、応援のほどよろしくお願いします。

反町康治GM

皆さんこんにちは。本日はお招きいただきまして、誠にありがとうございます。そして藤島さん、玉田監督、そしてご両親、本当におめでとうございます。

我々エスパルスとしては、ぜひとも佐々木くんの新しい力を必要としています。エスパルスは育成型クラブとして現在、力を入れてるところです。今回も高校から4名内定しております。そのうちの2人は清水エスパルスのユースからの昇格です。そして選手権にも出ますけども熊本・大津高校の嶋本(悠大)選手。そして佐々木選手です。この4名がこれから清水の屋台骨となって活躍することを期待してますし、我々もできる限りのサポートをしていきたいなという風に思っております。

佐々木選手は2回、エスパルスの練習に参加して、権田(修一)選手からも非常に評価が高かったです。私も練習を見たり、または本人とお話をしましたけども、非常に真面目でプロ志向の強い、意志の固い人間だなという風に思っています。

サッカーはもちろん技術的な部分もありますけども、やはりメンタリティーの部分というのは非常にこれから大事になってきます。そうした意味では彼は非常にプロ向きですし、1つしかないポジションと言われますけども、日々精進して、J1の舞台でぜひともゴールマウスを守ってもらいたいという風に強く思っています。我々もできる限りのことをしますし、本人もやはり強い気持ちを持って、プロ生活を歩んでいただきたいなという風に思っています。

いま選手権の話になりましたけども、残念ながら、その試合もハイライトで見させていただきましたけども、夏、冬という制覇はできませんでした。ただ、玉田監督の方から話がありましたように、まだプレミアリーグがあります。プレミアのファイナルに行きますと、多分ウエストは大津高校じゃないかなと思うので、エスパルスの内定者同士のガツガツしたぶつかり合いをぜひ見たいなという風に思っています。今後もよろしくお願いいたします。

質疑応答

―改めてプロサッカー選手になる気持ちと、どんなサッカー選手になりたいか

幼い頃からずっと目標にしてきたプロサッカー選手という職業を来年以降スタートできることを心から嬉しく思いますし、結果ももちろん大事ですけど、数字を残すっていうよりも、多くの人に愛されて、多くの人に応援されるような選手になれるように、日々エスパルスで頑張っていきたいと思っています。

―権田選手とは直接何かコミュニケーションを取ったか

練習中もそうですし、練習後にゴールキーパーだけでミーティングをする機会があったんですけど、その中でも常に権田さんは自分のことを気にかけてくれたり、さらには食事の時だったり、その他の場面でも色々なアドバイスをくれたので、2回行きましたけど、両方ともすごく自分にとっては新鮮な経験だったので、本当に行ってよかったなと思います。それを今後の基盤としてこれからのプロ生活を頑張っていきたいなと思っています。

―何か掛けていただいた言葉で胸に残ってるものがあれば

権田選手とは数多く話をさせていただきましたけど、一番印象に残っているのは、「日々の練習から練習の意図を考えて練習していく」っていうことが僕の中では一番残っていて、僕がこの先権田選手であったり、日本の偉大なゴールキーパーの方を超えようとした時に、1個1個のプレーについてもそうですけど、ワンプレー、ワンプレーに、しっかり試合と同じような気持ちで臨むことができてるかっていうことは本当に重要なことだと思うので、そこは権田さんから本当に学んだところではあります。

―目標とする選手は

日本だったら、もちろん権田選手はずっと見てきた選手なので憧れていますし、世界に目を向けたらかなり古いんですけど、ピーター・シュマイケル選手っていう選手がいて、自分はそういう昔のプレミアリーグだったり、よく見る機会があったので、そういうところも自分は好きですし、いずれそういう舞台で活躍できる選手になれるように頑張っていきたいなと思っています。

―先程、「プロとしての責任を持って、子どもたちから目標とされても大丈夫な選手になりたい」と言っていたが、プロとしての心構えや使命感はどんなところにあると思うか

やっぱりプロ選手っていうのは、子供たちに夢や希望を与える立場だと思うので、そこはこれからの自分のプロ生活の中で一番重要になってくると思うところなので、大切にしていきたいですし、またスポーツをやっている方だけではなくて、スポーツを見る方々も自分の活躍を通して、「明日の仕事頑張ろう」とか、「他の分野でも頑張っていこう」っていう想いを抱かせるような活躍ができたら、それはスポーツ界だけじゃなくて、社会としてもとても良い流れが生まれると思うので、そういう選手になれるように頑張っていきたいなと思っています。

―GKとしての強みは

自分の一番の武器はシュートストップ、ボールを止めるっていうところに僕はあると思うので、 そこの部分を中学年代からそうですし、キーパーを始めてから約10年間ずっとそこを追求してきてやってきたので、プロに行ってもそういうプレーは注目していただきたいですし、さらにシュートストップだけではなくて、他のプレーにおいてもトップレベルのプレーをできるような努力をしていきたいなと思っています。

―玉田監督に。佐々木選手の他の選手にない素質は

キーパーというのは特別のポジションなので、僕が答えるというよりは後ろにキーパーコーチがいるので、そちらが答えた方が僕は良いと思うんですけど、僕の視点から言わせてもらうと、先程も言いましたけど、他の選手に別にないわけではないと思うんですけど、やっぱり向上心っていうものは僕はすごく感じます。

彼から僕に質問してくるっていうこともありますし、やっぱり「プロとしてどうなのか」とか、「代表キーパーになるようなゴールキーパーはどういう選手なんですか?」とか、そういう質問もすごくありますし、そういうところを見ても、やっぱり向上心っていうものはすごくあるのかなと思います。あとは練習1つ1つをとっても、1つ1つのプレーにこだわりを持ってすごくやってますし、自分のストロングポイントとウィークポイントっていうものをすごく自分の中で理解してという中で、自分が何が足りないからこうするべきとか、こういうことを向上した方が自分は上に行けるっていうことも理解しながら練習はできているので、それが僕としてはすごい良いところだなと思っています。

―サポーターの方々に伝えたい言葉があれば

やっぱり一番は、先程も言いましたけど、自分はシュートストップのプレーの部分であったり、そういうところを見てほしいですし、それ以外にもエスパルスに対する情熱だったり、勝利に対する貪欲さっていうか、エスパルスのファン、サポーターにやっぱり愛されるような選手になっていきたいので、自分も誰よりもエスパルスを愛して、そういう選手になっていきたいなと思っています。やっぱり一番はサッカーだけじゃなくて、人間的な部分でも応援されるような選手になりたいと思っています。

―昌平高校、LAVIDAを選んだ理由は

やっぱり小学校の時から選手権に出て、優勝したいっていう気持ちは人一倍あったので、そう考えた時に昌平高校に行くためにLAVIDAに行こうって思いましたし、中学の時は試合に出る時間っていうのは短かったですけど、そういう自分にとっては辛いことに対して立ち向かっていくっていうところは、アスリートとして以前に人として大事だと思うので、そういうことを学べた6年間っていうのは、僕の中では本当に宝物というか、良い時間だったんじゃないかなっていう風に思っています。