高校総体西部支部予選1回戦 和光 vs 合同(新座・筑波大坂戸)
高校総体西部支部予選1回戦。新座高校&筑波大坂戸高校の合同チームはスコアレスからのPK戦の末、和光高校を下した。合同チームは続く2回戦も勝利したが、代表決定戦で敗れた。
前半を0ー0で折り返すと、後半立ち上がりは合同チームが前半3本のシュートを放ったMF曳地拓巳を中心に押し込む展開。17分にはMF新井祥斗が右サイドのタッチライン際からシュートで狙ったが、GK半田陽大に弾かれたボールはクロスバーに当たってゴールとはならず。
一方の和光もMF阿部マリブが起点となってカウンターを仕掛けていくと後半27分、FW菅原大河がキーパーが前に出たところをループで狙ったが、これはわずかにポストの右に。その1分後には阿部がドリブルで仕掛けて決定機を迎えたが、DF要害豪輝がゴールラインに転がったボールをすんでのところでクリア。80分を超えても決着はつかず、勝負は延長戦に突入する。
延長戦では前半に合同チームが、後半に和光が、それぞれ1本ずつチャンスを作ったがスコアは動かず。勝敗の行方はPK戦にもつれ込んだ。3ー2と合同チームリードで迎えた先行の和光の4本目。「仲間が頑張ってくれていたので、絶対に止めてやると思っていた」というGK船渡川和史がストップし、直後に後攻の味方が決めて勝負あり。合同チームが大会1勝を飾った。
合同チームの挑戦 代表決定戦で敗退も公式戦初勝利からの2連勝
「俺たち、公式戦初勝利だ!」。
PK戦までもつれた激闘後、誰の口からともなく歓喜の言葉が吹き出す。新座にとっても、筑波大坂戸にとっても、3年生を含めたメンバーにとって、リーグ戦を除く公式戦初勝利だった。
昨年は互いに単独チームとして出場していた中で、3年生が抜けた秋季大会から所沢商業高校(今年度は単独チームとして出場)を含めた3チームで合同チームとしての活動を開始した。
練習は週末の合同練習試合のみと限られた中で「その時間を大切に、ひとつひとつのプレーを、試合を考えながらやってきた」と10番のMF萩原拓実(筑波大坂戸)。「声かけを大切にした」という主将の曳地(新座)は「アップも高校同士で固まらずにバラけてやって、そこでみんなが繋がったんじゃないかなと思います」と語る。少ない時間の中で成熟を図ってきた。
そんな中で今大会は1回戦で初勝利を収めると、2回戦でシードの川越工業高校を2ー1で下して2連勝で代表決定戦へ。最後は川越東高校に0ー7で敗れたが、堂々と大会を終えた。
「こうやって少人数でやっているところでも頑張れば勝てるっていうことを証明できたのは嬉しいです」と1回戦後、キーパーの船渡川は語っていた。近年少子化の影響もあり、3種年代などでは人数が集まらず休部や廃部に追い込まれるサッカー部も多いと聞く。そういった中で今回「合同チーム」として快進撃を見せたチームの活躍というのはひとつの光となりそうだ。
石黒登(取材・文)