[新人戦]武南FW渡邉柊羽、延長V弾!「決めることしか考えてなかった」1年生が頂点導く

“その瞬間”だけを見据えていた。聖望学園との決勝は0-0のまま延長戦に突入した中で、武南は途中出場のFW渡邉柊羽(1年)が値千金の決勝ゴールを叩き込み、激闘に終止符を打った。

後半16分にMF沖田陽(1年)に代わってピッチに送られた背番号17は、ベンチからのメッセージを胸に刻んでいた。「もう決めろって言われていたし、自分自身も出たら絶対決める、もう決めることしか考えてなかった」。1年生FWの頭にあったのは、ただ一つの結果だけだった。

すると延長前半4分だ。FW角啓汰(2年)が右サイドを突破すると「センターバックの見えないところから入るのはいつも意識している」という渡邉は死角から一気にゴール前に潜り込む。「最高なボールがゴール前に飛んできたので、もう飛び込むだけでした」。角のクロスに対し、ストライカーらしく身体ごと押し込んでゲット。そしてこれが優勝に導く決勝ゴールとなった。

また、ゴール以外のプレーでも、FW岩澤柾吾(2年)や角が競ったこぼれ球を回収し、センターバックの1個前でボールをもらって起点を作る場面も。「今日は入ってから試合の流れに自分が乗るのが早めにできた。決める以外のプレーも何回か良いプレーが出てた」と手応えを語った。

今大会は初戦の春日部戦で4ゴール。だが、準々決勝は途中出場したものの持ち味を出せず無得点、準決勝は出場なしだった。「今日最後、絶対決める意識でいって決められてよかった」。それでも自己評価は「70点ぐらい」。「点を取れたのはいいんですけど、まだまだ直さなきゃいけないところもありますし、常にこういうプレーを試合でできるようにしたい。ちょっと(好不調の)波があるので、それをなくしていきたい」と課題を冷静に見据えるあたりに、向上心がにじむ。

得点シーンのよう相手CBと駆け引きしながら、マーカーを外してゴール前に入っていくオフ・ザ・ボールの動きはストロングポイント。「敵の視線から外れたり、相手が思ってないところに抜け出したりするのが自分の中で得意なプレー」。また、ロングシュートや裏抜けも得意とする。

「ワンタッチでポンポンポンっていく武南の綺麗なサッカーが好きで、それをやりたいと思った」。まだ入学前だった昨年の新人戦も観戦。その舞台で今度は自らタイトルを手繰り寄せた。

「いまの2年生がもう自分が見て中でもうまい人たちばっかりなので、自分も見習って成長していきたい」「この代はこれから多分3冠を狙える代なので、その力になりたい」。今年の武南はU-17日本高校選抜MF小山一絆(2年)主将ら、個の高い選手も多く1月には“裏選手権”を制覇。身近にいる最高のお手本たちに学び、成長しながら夏までにまた力をつけて勝利に貢献する。

石黒登(取材・文)