[新人戦]現役高校生で初めて選手権も担当。ユースレフェリーの酒井星南(与野)「国際審判員としてW杯の舞台に立つのが目標」

2月1日、令和7年度埼玉県高校サッカー新人大会南部支部予選の決勝が4支部で行われ、南部支部の浦和西対大宮南の一戦ではユースレフェリーの酒井星南(3年/与野)が主審を務めた。関係者によれば「支部の決勝で高校生が主審として笛を吹くのは初めてだと思います」という。
酒井は今回の全国高校サッカー選手権で、1回戦の福井商対高川学園で副審を務め、2回戦の尚志対山梨学院では第4審判員を担当。現役高校生が選手権を担当するのは史上初のことだった。
「すごく注目度の高い大会で、決勝はプロの試合以上に観客が入る。あの緊張感の中でパフォーマンスを発揮する経験ができたのは嬉しかったですし、夢の舞台でした」。都道府県代表として本気で戦う選手たち、そして大観衆に囲まれた環境は、審判としての心構えを大きく引き上げた。
その舞台では1級審判員と組む貴重な機会にも恵まれた。「一番大きい差は選手とのコミュニケーション。ジャッジだけでなく、不満を感じさせない言葉掛けや表情など、多くの学びがありました」。試合を円滑に進める“マネジメント力”こそがトップレフェリーの条件であると、身をもって知った。この日の試合でも両主将と対話しながら、円滑に進めること取り組んでいたという。
それ以外でも数多くの大舞台も担当。一昨年の全日本U-12サッカー選手権にも派遣された。「全国大会とかも多く行かせていただいたり、すごくチャンスをいただけたので、本当にそういうバックアップしてくれた方々、支えてくださった協会の方々にもすごい感謝しています」と話す。
印象に残っている試合を訊ねると昨年2月のFUJIFILM SUPER CUP 2025「NEXT GENERATION MATCH」、昨夏に行われた全国高校サッカー選手権(インターハイ)を挙げた。
「NEXT GENERATION MATCH」では、養成機会の創出などを目的に大会史上初めてユース審判員が副審を務めた中で、高校サッカーの“聖地”国立競技場のピッチにも立った。「入った瞬間からワクワクが止まらなかった」と振り返る一方で、「高校生を起用する取り組みの中で、自分がミスをすれば次の世代の機会がなくなるかもしれない」という責任感も抱いていたという。
また、悔しい経験として挙げたのが昨年のインターハイだ。同大会にはユースレフェリー10名が派遣され、副審を務めるというものだった中で、2年次の一昨年夏に続き、2年連続でインターハイに派遣された酒井は、開幕戦の寒川対瀬戸内戦で主審の大役を任せられることとなった。
しかし、「そこで自分の中ではミスがあって。チャンスをいただいた中で自分の中で満足できるパフォーマンスではなかったので、そこは悔いが残って、すごく印象に残っています」。それでもその反省も含めて、「いろいろやらせていただきました」と濃い経験を積んだ3年間だった。
春からは東洋大に進学し、サッカー部所属しながら審判として腕を磨く。「担当するカテゴリも少し上がって、関東リーグとかも任されるようになる。いまよりもよりレベルの高いところでも、選手がサッカーに集中できるような試合を作りたいと思っています」。その視線はすでに次のステージへと向いている。「最終目標としては、国際審判員としてワールドカップの舞台に立つこと」。未来のワールドカップで笛を吹く日を夢見ながら、若きレフェリーの挑戦は続いていく。

石黒登(取材・文)


