[高円宮妃杯U-15]「成長した」ヘディングでV決定弾! 浦和L JrユースFW徳生花音は全国の舞台で6ゴール

全国の舞台で存在感を示したエースが、最後に決め切った。三菱重工浦和レッズレディースジュニアユースFW徳生花音(3年)は、決勝のINAC神戸テゼーロ戦で後半33分に貴重な決勝ゴール。苦しい展開の中でも、“強い気持ち”で走り切り、チームを6年ぶりの全国制覇へと導いた。
「前半は相手に押されて、何もできない状況だったんですけど、ハーフタイムにロッカールームでタニさん(西谷冬樹監督)から強く言葉を掛けてもらって、自分たちの気持ちが上がりました」
前半は前線で孤立することも。それでも気持ちは切らさなかった。「気持ちで絶対に負けないと思っていました。前半は球際とか負けてしまったところがあったんですけど、後半に切り替えて全力で最後まで走り切って前からプレスをかけにいきました」と守備でも献身的にプレーする。
後半2分のMF増田彩衣里(3年)の同点弾の場面では、ゴール前で斜めに走り、MF仙石みのり(3年)のパスコースを空ける“好アシスト”。16分には自らも右足の強烈なミドルシュートでゴールを狙う。これは相手キーパーの好守に阻まれたが、33分に待望の決勝ゴールを挙げた。
左スローインからの展開でMF片岡菜葉(3年)からクロスが上がると、ゴール前に走り込んだ徳生がヘディングでゴール。この1年で「ヘディングとか背後の抜け出しが成長したなと思います」というFWは「そういうプレーが出せました。イメージ通りでした」と得点を振り返った。
「出ているメンバーだけではなく、バックアップのメンバーとか、応援してくれるメンバーとかがいて、チーム全員で勝てた」と徳生。ピッチの仲間たちとのセレブレーションを終えると、ベンチの方にも走り出しバックアップメンバーたちともハイタッチを交わし喜びを分かち合った。
今大会は1回戦のFragrant熊本戦でチームのファーストゴールとなる決勝点を挙げると、2回戦の常葉大附橘中戦でも1ゴール。準々決勝の小美玉フットボールアカデミー戦ではハットトリックを決めるなど、コンスタントに得点を重ねて、6ゴールを奪ったFWは「チームを勝たせられるようなストライカーになりたいです」と高校年代に向け、さらなる成長を誓っていた。
石黒登(取材・文)


