[プリンス関東2部参入戦]エースとしての自負と責任感を胸に。成徳深谷FW川上稜介「自分のゴールで絶対に勝ちます」

今年1年間、成徳深谷のエースストライカーを担ってきた、その自負と責任感を胸に最終戦でゴールを狙う。FW川上稜介(3年)は初戦となった常磐戦でゴールこそなかったものの、動き出しやチャンスメイク。また、自らカットインシュートで狙うなどチームに勢いをもたらしていた。
「今日はコタ(頓宮琥太郎)が相方だったので、絶対に勝てると信じて裏にずっと走ってました。そこでコーナーとかを取って、セットプレーを増やしていくっていう考えで前半は臨んでました」。前半は常磐のプレスにまだ対応しきれていない部分もあった中、前線のキーマンとして運び出しや果敢なミドルシュートも。「ある程度はチャンス作れたかなって思います」と振り返る。
相手のプレスへの対応や雨で濡れたピッチにも慣れた後半もゴールに迫る。31分には自ら競ったこぼれ球を拾って、カットイン。細かいタッチで1人、2人と外して左足シュートで狙ったが、ここはキーパーに阻まれた。「だんだんいつものプレーができていったんですけど、左足を痛めちゃって。かばいながら走ってたら攣っちゃって、シュートに全然威力がなかった」と悔やんだ。
リーグ初制覇が掛かっていた第17節・武南戦の前の練習で左足の内転筋を肉離れを負い、同節と最終節は怪我でメンバー外に。日曜の共栄大との練習試合でスタメンに復帰したばかりで決して本調子ではなかったという。その中で「今回は絶対決めてやろうって想いで臨んだんですけど、今回はちょっと厳しかったっす」としたが、81分に交代するまで前線でキーとなり続けた。
「自分が前線で1番上手いと思ってるんで、成徳の中心として、前線では身体を張って得点に繋げたいと思ってます」。その自負は慢心ではなく、責任感の裏返しだ。選手権予選準決勝の昌平戦はクロスバー直撃のFKも含め、あと一歩で届かなかった悔しさも胸に残る。「どっちに転ぶかわかんない試合だったからこそ悔しさ残っちゃって。自分があそこ決めてればとか、いろいろ考えるんですけど、切り替えて、いま臨んでます」と最後のプリンス参入にすべてをかけて臨む。
決定戦の相手はFC町田ゼルビアユース。「格上とやれるので、絶対に相手を呑み込んでやるっていう気持ちで、自分のゴールで絶対に勝ちます」。エースストライカーとしての責任感や自負を胸に、高校ラストゲームでチームを勝たせるゴールを奪い、プリンスリーグ昇格を叶える。
石黒登(取材・文)


