[選手権]伊奈学園MF増田直、ラストプレーで劇的決勝弾!「決定力がなかった」夏を越えて2試合9発とゴールを量産中

土壇場でチームを勝利に導いた。0-0の後半40+4分、伊奈学園MF増田直(3年)はセットプレーからの混戦を押し込み直後に笛。ラストプレーでの劇的ゴールに歓喜の輪が広がった。

伊奈学園は前半から再三にわたってセットプレーを獲得するも、得点に結びつかずもどかしい時間が続いたが、「0-0でも焦れずに、最後の最後で1点取れればいいと監督に言われていた」。

するとスコアが動いたのは最終盤だ。MF山田充希(2年)のロングスローを10番のFW本間天ノ祐(2年)が競り、DF萩原有梧(3年)が落としたボールを最後に増田が押し込んだ。

「最後の10分、15分は全員で攻め繋いでいたので、誰が決めてもおかしくなかった。決められたのはみんなのおかげ」と増田。劇的ゴールに仲間たちからもみくちゃにされる中で試合終了を告げるホイッスルを聞き、「サッカー人生で一番嬉しい瞬間でした」とその瞬間を振り返った。

今大会は初戦の新座柳瀬戦で8得点。この日は警戒を受ける中でトップ下としておとりになるプレーやスペースを作ったり、味方を使うことを意識。終盤はボランチとして攻撃を止めない役割に徹しながら、その中で勝利を呼び込む2試合連続のゴールを決めるなど、勝負強さが光る。

これで2戦合計9発。チームを勝たせる存在として奮闘しているが、「本当は決定力がなかったんです」。この夏までは決定機があった中でも決めきれず、悔しい時期も。「迷惑をかけていたので、本番では絶対に決めて、チームを助けようと思っていた」という中でゴールを量産している。

「今日はみんなが100点にしてくれた感じ」と話す増田は、「次も自分のゴールで勝ちきりたい」と意気込み。大台の二桁に乗せる3試合連続のゴールでチームを2次トーナメント進出に導く。

石黒登(取材・文)