[サザンクロス杯]浦和南MF大塚逸平、ゴールに迫り3G3Aで大会MVPに!「現状維持は後退」、成長し続け「チームを勝たせられる選手に」
浦和南が「サザンクロスカップ2025」決勝で浦和東を1-0で下し、2大会ぶり4度目の優勝。大会MVPには3ゴール3アシストと、ゴールに迫り続けたMF大塚逸平(3年)が選ばれた。
「サザンクロスカップはうちのOBが集まっている大会なので、その大元になっている自分たちが勝たないといけないっていうのはずっとコーチ陣からも言われていて、自分たちもそれを自覚してやっていたので、その“絶対負けない”っていう点で力強く試合できたかなと思います」
その中で大塚は今大会ゴールを意識。右SHの位置からクロスへの入り方やファーへ詰めるところ、セットプレーで混戦となった時の動き直しなど、野崎正治監督からも常に言われているという「足を止めない」ことを考えながら、最後の部分で得点を狙いながらプレーしていたという。
その結果、今大会は3得点。「3点ともそんな素晴らしいゴールっていうわけじゃないんですけど、こぼれ球に詰めたりとか、ヘディングでファーで決めたりとか、3点ともそういう点だったので、自分としてもやっぱりそういうところは普段の練習が生きていると思いました」と話す。
また、得意のクロスでもポイントになり、3アシスト。ゴールに迫り続け、大会MVPに選ばれた大塚だが、それでも「ここで良い結果を残したっていうのは選手権に向けて1つ自信に繋がったかなと思いますけど、ここが本番じゃないので。選手権に向けてここからやっていかないといけない」。目指しているのは選手権予選でのタイトル奪還、全国。だからこそ、気は抜かない。
「今年は新人戦から関東予選、インターハイ予選も全部ベスト4止まりで、良いように捉えればベスト4まで行けたっていうところはあるんですけど、ずっと現状維持で、監督からも“現状維持は後退”だっていうふうに言われていて。自分たちとしてもあと一歩、あと二歩のところで悔しい想いはもうしたくないので、選手権では全国に出られるように、ベスト4、ベスト8まで来たところで、いかに自分たちの力を発揮できるかっていうところを大切にやっていきたいです」
チームとしてはリーグ序盤は、大量失点もあった中で少しずつ失点を減らし、勝ち点を拾える試合も出てきているところを後期は失点0にこだわり、ウノゼロで勝てるチームを作ること。また、昌平や西武台など技術力があるチームに勝っていくために、持久力や予測能力を伸ばしていく。
そのうえで「これからはもっと個の力で、サイドを崩して打開できるような選手になって、選手権でも自分の力でチームを勝たせられるようにしたい」。クロスに加えて「スピードに乗った縦の勝負が自分のストロングポイント」と話す伝統校のアタッカーは、この夏も現状に甘えることなく、どんどん仕掛け、チャレンジしながら成長して、「チームを勝たせられる選手」になる。
石黒登(取材・文)