[総体]劣勢の状況も「とにかく前に」。昌平MF山口豪太は敗戦を糧に「冬の選手権で王者になれるように」成長を誓う

昌平の10番MF山口豪太(3年)は、試合後のインタビューで敗戦を正面から受け止めていた。

「完全に大津の方が個でも、チームでも上回っていた。負けたのは当たり前の結果かなと思います」。昨年県勢として51年ぶりに日本一に輝き、前年覇者として臨んだ舞台だったが、大津の球際、切り替え、サポート、そして圧倒的な運動量の前に、チームは5失点でなす術なく沈んだ。

それでも山口は、苦境の中でも下を向かなかった。「今日はボールを持ったら前への推進力と、守備面では戦う気持ちを前面に出して、やることを意識してました」。0-3とされた後も前から果敢にプレスをかけて、スライディングでボールを刈り取る動き。また、「とにかく前に、前に進むしかない」とチーム全体を前に進めるような、気迫のこもったドリブルで牽引し続けた。

「自分の武器っていうのは通用したし、でもやっぱり得点が0っていうところでシュート練習だったり、決定率を上げるトレーニングはしていかないといけないと思いました」。今大会もMF長璃喜(3年)との両翼は脅威に。一方で初戦となった2回戦と3回戦でアシストを記録するも得点がなかった中で、決定力アップに臨み、今冬の選手権では夏冬含めて全国初ゴールを狙う。

「2連覇ってところは狙ってたんですけど、それが途絶えてしまったので、もう切り替えて、プレミアでしっかりチームとして成長して、勝ちを重ねて、冬の選手権で王者になれるように、もう1回イチからチームでやっていきたいと思います」。目の前の敗戦をしっかりと受け止めながら、その悔しさを必ず成長に繋げて、高校最後のビッグトーナメントでもう一度頂点を目指す。

石黒登(取材・文)