[総体]昌平MF長璃喜、注目タレントが逆足で2発!攻守のスプリントでもチームを力強く牽引
昨夏は決勝の舞台で2ゴール1アシストの活躍を見せ日本一に貢献。「このメンバーで日本一を獲りたい」と話す昌平MF長璃喜(3年)がインターハイ初戦でいきなり2発と輝きを放った。
1-0で迎えた25分、FW齋藤結斗(3年)がペナルティエリア外からシュートを放つと、「今年は得点は意識していて、誰かが打ったら、こぼれはもう来なくても毎回走るようにしています」。キーパーが弾いたボールを「とにかく振り抜くことを意識して」ニアサイドに突き刺した。
さらに78分にはMF飯島碧大(2年)のスルーパスに抜け出し、「相手との距離が少し離れてたので、ファーストタッチで行けるなと思った。ファーストタッチでスピードを上げて、中に誰かいたんですけど、振り抜こうと思って振り抜きました」と再び振り抜いてネットを揺らした。
特筆すべきは、両ゴールともに利き足とは逆足の左足のシュートだったということだ。「上のレベルに行くには、やっぱり得点っていうところが重要視されていく。その中で両足蹴れた方が得点率も上がるので、逆足のシュートは練習から意識しています」と長。「リラックスして打つこと」を心がけているという、振り足の鋭いパンチのあるシュートは利き足と見まごうばかりだ。
また、得点だけではなく、攻守で労を惜しまず何度もスプリント。「声で引っ張るタイプじゃないので、プレーで引っ張れたらいいなと思って、できるだけ走るようにはしています」。この姿勢には芦田徹監督も「今日はちょっと強烈ですよね。攻守において走る、その量もすさまじいんですよ。やっぱりあいつが本当によく走るので、周りは走らざるを得ないですね」と舌を巻く。
後半終盤の自身2点目は体力的にもかなり厳しい部分もあったが、「ここまで走ってるから、最後璃喜にもう1点だけって」とベンチでのスタッフ同士のやりとりもあったという。その中で長は一番苦しい時間帯でしっかりと攻撃のスプリント。ゴールでしっかりと期待に応えて見せた。
県予選後、プレミアリーグでの連敗を経て試合間隔が空いた時期も、成長の時間に変えた。芦田監督の下で、フィジカル中心ではなくプレー強度を意識した練習を積み重ね、特にプレスバックや1本のスプリントの価値を再確認。「去年の聖望戦も戻れていれば防げた場面があった。1本のプレーで試合が動いたり、1本のスプリントで試合が決まる」。プレミアでも感じていた守備やスプリントの重要性に取り組み、「そこの部分は良くなってきているかなと思います」と話す。
「今年でみんなとできるサッカーがラストっていうのもあるし、このメンバーで日本一を獲りたいっていう想いが強いです」。今年はすべてに「ラストの」がつく中でFC LAVIDAから6年間、昌平から3年間一緒に戦ってきた仲間たちと最高の瞬間を目指す。「あの景色をこのメンバーでマジで見たいです」。そのために長は次も走り続け、ゴールでチームを高みまで引っ張る。
石黒登(取材・文)