[関東大会]武南MF渡辺悠、Bグループ制覇に導く決勝ゴール! 今大会はフィニッシャーとして2発

2戦連続弾でBグループ制覇に導いた。武南MF渡辺悠(2年)は同グループ決勝の帝京第三戦で決勝ゴールをマーク。今年は新人戦、関東予選と決勝と名の付く舞台で勝てていなかっただけに「今回は3度目の正直として勝てたっていうことが本当に良かったなと思います」と喜んだ。

1、2回戦と天然芝の対応にやや苦戦した武南だったが、この日は相手のプレスを剥がしながら押し込んでプレー。渡辺も「前半の方は少しドリブルできたかなと思います」という中で、斜めのボールを受けて、左サイドから仕掛け。18分にはカットインからシュートで狙っていった。

その中で39分、FW塚田恵斗(2年)が右サイドでボールを受けると、渡辺は「塚田くんと目が合って、絶対に裏のパスが来るなと思った。あとは自分が冷静に、簡単に流し込むだけでした」と前方のスペースに走り込み、最後はキーパーとの1対1を冷静に右足で流し込んで沈めた。

前半から攻め込む時間も長かった中で、相手GKの好守もありなかなかゴールが奪えず。このままいけば相手の展開にもなり得ただけに、内野慎一郎監督も「前半に1点取れたこと。あれが0-0でいったらわからなかったと思います」と評価した1点がこの試合の決勝ゴールとなった。

「今回はミスが目立ったんですけど、でもフィニッシャーとしては得点を決めることができて、チームを勝たせられたので、そこは良かったと思います」。2回戦の東洋大牛久戦では0-1の71分にMF関口海龍(3年)のクロスにゴール前に入り込み、貴重な同点ゴールを記録した。

「自分のゴールで勝ちたいっていうのはあります」という渡辺は「(新人大会の)西武台戦では1点取れたんですけど、納得のいくゴールじゃなかった。(関東予選の)成徳戦は取れなかったし、決勝戦とか、緊張する場面で取ることでみんなの緊張を和らげたり、そういう力があるので、ゴールは取っていきたい」。その中で今大会は2ゴールを記録し、Bグループ制覇に貢献した。

内野監督も「埼玉県を代表する選手に」と大きな期待を寄せる2年生ドリブラーは、鋭い縦突破に加え、カットインからのシュートも武器。スピードもあり、個人で持って行くこともできる。

一方で「ドリブルも注目して欲しいんですけど、やっぱりパスとドリブルの判断っていうのはここ1年の課題にしたいとは思います」。ドリブル、ドリブルになりすぎずに、広い視野を持ちながら「自分がその場面、場面の中で一番良い選択肢を持ちながら」プレーすることを意識。その中でシンプルにはたくところやシュートでフィニッシュするなど、選択肢を持ってプレーする。

関東大会を終えたばかりだが、次なる戦いが待っている。31日からは総体予選が開幕。2大会ぶりの夏の全国を目指す武南は6月7日の3回戦が初戦となる。「この関東本戦の良い雰囲気をインターハイにぶつけて、優勝したい。勝ちたいです」。その中でも「やっぱりドリブルと決定力は見せたい」と話す2年生アタッカーがフィニッシュにもこだわりながらチームを勝たせる。

石黒登(取材・文)