[関東大会]成徳深谷DF菅井陽斗、攻撃的SBが99分にオーバーラップから劇的決勝弾! 6大会ぶりのAグループでの勝利もたらす

「先制して、その後キツい展開になったんですけど、最後まで勝ちきるっていうことを意識して、最後まで走りきれたので良かったです」。文字通り「最後まで走りきった」右SB、菅井陽斗(3年)が延長戦の劇的決勝ゴールで成徳深谷に6大会ぶりとなるAグループの勝利をもたらした。

両軍ともに譲らず、2-2のまま延長後半へ。その延長後半も半分が過ぎ、誰もがPK戦を覚悟し始めた中で同9分、菅井はMF岡勇吾(3年)の斜めのボールに対し、サイドを駆け上がる。

すでに体力的にも厳しかったというが、「練習でもあそこのゾーンはオーバーラップで狙ってるので、練習通り行けたと思います」。ディフェンスに前に入られたが、「もう引き分けで、残り時間も少なかったので、やりきる気持ちでした」と諦めずに追うと、その圧力が相手DFとGKの交錯を誘い、こぼれ球を左足で無人のゴールに流し込み、これが最終的に決勝ゴールとなった。

今季からスタメンを確保した菅井は、S1リーグ第5節の昌平Ⅱ戦の公式戦初得点に続く、2点目。トーナメントでは初ゴールとなった。それをこの大舞台、しかもチームを勝たせるゴールで決めたのだから喜びはひとしおだったはずだ。試合後には「気持ちよかったです」と笑顔だった。

スタンドではこの試合の前に行われたBグループの東海大相模戦に出場していた同じ1FC川越水上公園出身の東海大高輪台MF久保田有海(3年)が応援していた中で声援に結果で応えた。

もともと中学までは攻撃的なポジションだったこともあり、得点シーンのようなオーバーラップからのシュートやクロスは菅井の武器。昨年から主力を務める左SBの山谷康太朗(3年)との両翼の攻撃力は今年の成徳深谷のストロングポイントで「そこは自信を持っています」と話す。

「もうラストで、インハイも近いので、このまま波に乗っていきたい。絶対に優勝したいと思っているので、この後もしっかり勝ち続けます」。狙うのは先輩たち超えの関東タイトルだ。そのためにも「守備でもちゃんと守って、特に攻撃ではアシスト、プラス得点にも、オーバーラップで絡めたらいいと思います」。波に乗る攻撃的SBが2回戦でも得点に絡んでチームを勝たせる。

石黒登(取材・文)