[総体女子]新体制の南稜は4位フィニッシュ。2月から室野監督が就任「女子は『まだ公立行けるぞ』っていうところは見せたい」と所信表明も

新体制の南稜は4位でフィニッシュ。2月から指揮を執る室野竜吾監督は「試合の展開としてはやっぱり70分で決着をつけないと難しい相手だったなというところですかね」と振り返った。

3位決定戦は川口市立がシンプルに縦を狙って圧力をかけてくる中、前半の終盤から後半の立ち上がりにかけては相手のプレスを剥がしながらボールを握って自分たちの時間を作る場面も。

31分には10番MF高橋咲来夢(3年)主将のミドルシュートが惜しくも上に外れ、後半も高橋咲が持ち出しから迫る場面もあったが決めきれず。シュート0本に終わった昌平戦からの成長を見せた中で「そこで決めていれば、また違う展開もあったかなと思います」と反省を語った。

南稜は小椋大監督が今年から関東大学3部・立教大のコーチとなったことに伴い、チームダイレクターという立場に。これまで同様スカウティングなどは行う中で、新人戦準々決勝から伝統校・浦高サッカー部出身でヘッドコーチとして前監督を支えた室野監督にバトンタッチした。

シーズン始めの、めぬまカップで室野監督は「小椋監督も対戦相手に応じて柔軟にサッカーするのが得意だった。僕も守備をベースにしながら、2、3回戦、準々決勝、準決勝、決勝といろいろな戦いを見据えながら柔軟に対応できるようなサッカーを目指していきたいと思っています。

公立は南稜、川口市立が最後の砦だと思っている。男子サッカーだとなかなか公立がもう勝つのは難しくなっていると思うので、“まだ女子サッカーは公立行けるぞ”っていうところは見せたいですね。(前々監督の)桑山(秀家)先生がずっと続けてきたものを、小椋監督とずっとやってきて、やっぱりなかなか公立高校がこの時代、長く強さを維持したりとか、サッカーを維持するのは難しいと思うんですけど、そこがまた新たなチャレンジというか、難しいチャレンジ、挑戦する楽しさかなと思うので、またこれも次に繋げられるように頑張ります」と所信表明していた。

新体制で迎える実質、最初の大会となった今大会は、2回戦で庄和を7-0で、3回戦で大宮武蔵野・大宮光陵・越ヶ谷・明の星合同チームを15-0で撃破。準々決勝では秋草学園に先制を許したが、冷静に戦いながら最終的には4-1で逆転勝利し、新人戦と並ぶベスト4に進出した。

「いろいろ試しながら2回戦、3回戦と勝ち上がれて、ひとつしっかりと守備から入って攻撃でチャンスを窺うところの、チームとしての戦い方の統一は図れてきたかなと思います。あとはクオリティの部分。パス1個のズレとか、やっぱりそこが昌平さんとか川口市立さんと比べると数段低い。あとはもうちょっと戦術の幅、オプションを増やしていければと思います」

「選手権は全国に行くっていうのを目標に掲げているので、ベスト4のところで勝って、決勝の舞台に行って、チャレンジの大会になると思いますけど、しっかり最後勝ちきりたいと思います」。攻撃面での課題に取り組みながら、選手権では準決勝の壁を越えて初の全国出場を目指す。

石黒登(取材・文)