[関東大会]武南FW塚田恵斗、関東掛けの準決勝で2G1A。チームを勇気づける「声」にもこだわりながら名門のCFとして成長中
「点を取りたかった」と話すCFが関東掛けの大一番で大仕事。武南FW塚田恵斗(2年)は準決勝の聖望学園戦で今大会初得点を含む2ゴール1アシストを記録し、決勝進出に貢献した。
今大会は準々決勝までノーゴール。アシストなど得点に絡むプレーはできていたが、自らのゴールという部分では得意の裏抜けが味方とわずかにタイミングが合わなかったりと奪えずにいた。
「点という直接的な結果が求められていたので、ずっと点っていうところに執着していました」
そして、その瞬間はいきなり訪れる。前半4分、CB倉本健二(3年)がボールを持つと、塚田は瞬時に裏のスペースへ走り出す。倉本のロングフィードに抜け出すと、柔らかいトラップでディフェンスを外し、右足でしっかりとミートして流し込み、今大会3戦目で初ゴールを奪った。
さらに1-1となった16分には「八百川くんが内側を向いた時、僕を見てくれという話はずっとしていた」。新人戦でも好連携を見せていたMF八百川尚輝(2年)のパスを預かると、エリア内に走り込んだ右SB津山琥(3年)にタイミング良くパスを通し、勝ち越し点を演出した。
26分には2点目。左サイドを抉ったMF渡辺悠(2年)のマイナスのクロスを左足ダイレクトで沈めた。この日は2ゴール、1アシストの活躍。「まずはやっぱり得点できたのが自分として一番良かった」とした塚田だが、「自分が最後もう1点決めてハットトリックとか、この2ゴール、1アシストの結果はいままでよりはいいんですけど、あまり満足してはいないので、もっともっと点を取れるように、もっとレベルアップしていかないといけないと思います」と話す。
その中でも磨き続けている裏抜けや「自分は右利きなんですけど、左足でゴールを決めることが多くて得意」というようにこの日も左右両足で一発ずつ。技術アップにも取り組んできたという塚田はCFとしての収めるプレーやクロスボールのヘディングなどでも存在感を見せていた。
また、「それ以外に今日1日コミュニケーションを取ることをすごい意識していて、結構前戦から前後半意識して声かけはしていたので。チームとして雰囲気が良かったから声を出せたのもあるけど、やっぱりそれがチームとして雰囲気が悪くなった時にも、僕が前からコミュニケーションを取って、チームを鼓舞することが大事かなと思ったので、それができたのは自分的にはよかった」。4月からは2年生となり、チームでも中核に。今年は声も大事にしながらプレーする。
決勝進出、そして本戦行きを決めたが、目指すステージはここではない。「これから先、自分たちがレベルアップしたり、インターハイとか選手権で全国を目指すためには、やっぱりもっと貪欲に、勝つことにもこだわるし、内容にもこだわることが大事」。個人としてもゴールという結果はもちろん、内容にもこだわって、より高いステージで通用するCFに成長する1年にする。
石黒登(取材・文)