[関東大会]昨年を知る選手として今年は「自分が」。浦和学院MF平昭一哉は「結果を残して、みんなに知られるような選手に」

昨年を知る選手として、今年は「自分が」チームを引っ張る。浦和学院の10番MF平昭一哉(3年)主将は「(昨年は)埼スタであったり、自分だけがフルで出場したり経験できたので、やっぱりその辺は自分が起点となって声を掛けたり、味方を動かしてやりたいと思います」と語る。

1回戦の春日部戦は勝利したものの、「当たり前のことを当たり前にできなかった」。力の差がある相手に逆に先制を許し、チームとしてもひとりひとりが声を出せず。反省の残る試合となった。

その中で平昭は「自分が変わらなきゃダメだなと思って。キャプテンだし、昨日の試合の後にもひとり呼ばれて、変わらなきゃなと思って、自分が一番声を出してプレーしました」と話す。

浦和学院は4分、MF西田琉晟(2年)がペナルティキックで先制した中で「(失点して)相手が前から来るだろうなと思ったんですけど、あまり来なかったので、勝っているなら回そうと思いました」と平昭はディフェンスラインの組み立てに加わりながらボールを繋いでゲームを落ち着け。一方で後半は相手の圧力を受ける中で前に蹴り返すシーンが多くなり、チームとして取り組んでいるボールを回しながら崩す、自分たちのスタイルが出せなかったことを反省した。

浦和学院は昨年、選手権予選で37年ぶりの決勝進出。正智深谷に敗れ初の全国とはならなかったが、埼玉の新風として話題を呼んだ。そのチームで平昭は下級生で唯一のスタメン出場。準々決勝の武南戦では絶妙スルーで決勝点を演出し、埼スタで行われたファイナルもフル出場した。

今年は10番とともにキャプテンも継承。「やっぱり最後まで走りきるところとか、声をいっぱいかけるところとかがあんまり去年はできていなかったので、今年はやっぱり誰よりも走って、良い声かけをして、結果も残して、絶対負けないようなチームになりたいです」と力を込める。

昨年は右WGを主戦場としていたが、今年はチームの屋台骨であるボランチとなり、「真ん中の方がやりやすい」と好感触も。「自分はあんまり身体が大きくないので、やっぱり攻撃にも参加して、守備にも参加する、どこにでもいる選手になりたい」と攻守で貢献できる選手が理想だ。

2月には修学旅行も兼ねたスペイン遠征へ。現地チームとの練習試合やバルセロナでプレーしていたコーチからの2日間のクリニックなどを受けた中で「練習でも結果にこだわったり、もうひとりひとりがとにかく結果にこだわって、負けず嫌いが多かった」とスペイン人のサッカーに対する熱量や取り組み方に刺激も。サイズ感や身体能力の部分ではやはり差を感じたというが、その中でも「けど、通用する部分はあって、やっぱりドリブルとかはかなり通用した」と話す。

「やっぱりまだ浦和学院は埼玉県で優勝したこともないし、全国にも1回も出たことないので。夏と冬にでかいインターハイと選手権っていうのがあるので、しっかりそこで結果を残して、初の全国出場のという切符を掴み取りたいです」というように今年は自分が中心となって先輩達を越えること。その中で「自分の夢であるプロになるっていうのがあるので、そこに少しでも近づくように、関東大会でしっかりと結果を残して、みんなに知られるような選手になりたいです」と目指す高いステージでのプレーのためにも、この関東大会も勝ち上がって、アピールする。

石黒登(取材・文)