「難しい試合が多くて、自分の力が100％を発揮できない大会だった」。個人として反省を語った浦和レッズジュニア荒井瑛太（５年）だが、新人戦決勝では守備で光るプレーを見せていた。

「自分は攻撃でも守備でも、どこが一番危ないか、どこが一番有利かっていうのを考えて、いつも動いています」という荒井は、読みの良さと持ち前の運動量を見せて攻守で顔を出してプレー。

特に守備面では危険なスペースを埋めながら、決定機に繋がりそうなボールを掻き出しており、「その辺りはコーチからも褒められていて、自分の武器なので出せたと思います」と振り返る。

一方で課題としたのが攻撃面だ。「ボールロストが多かったり、パスミスが目立ってしまったところがあったので、そういうところもチャレンジしたり、ロストをしないように頑張って行きたいです」と攻撃の部分でチームを活性化できなかったことを反省。「自分は守備は得意なんですけど、攻撃がまだ得意ではないので、これから攻撃を伸ばしていきたいと思っています」とした。

宮澤克行監督も「攻守にっていうところが如実に表れる選手。まだまだ伸び代があるというか、現時点ですぐうまいわけでもないですし、獲得していってほしいものがいっぱいある選手ではあるんですけど、前向きにもう本当にチャレンジしている選手なので楽しみですね」と期待する。

「新人戦を取ったので、これからの大会もどんどん優勝していって、自分自身でも、チームとしても成長していけたらなと思います」。憧れのMFジュード・ベリンガムのように自分で運び出したり、ロングシュートで狙うなど、攻撃面でも違いを見せ、文字通り“攻守の要”に成長する。

石黒登（取材・文）