西武台FW太田和希「自分が決めて勝たせる」。昨季公式戦2GのFWが新人戦7発で得点王に
フォア・ザ・チームのFWが点取り屋としても開花の予感を見せている。西武台FW太田和希(2年)は新人戦全4試合でゴールを記録して7点で大会得点王に。優勝の原動力となった。
決勝の武南戦でも1-1で向かえた前半37分、MF杉山幸一郎(2年)のグラウンダーのクロスにストライカーらしい嗅覚で飛び込んで流し込み、これが試合を決める決勝ゴールとなった。
さらに後半6分にはMF広瀬陸(2年)のパスをゴールエリア前で受けると、「自分はやっぱり前を向いてドリブルっていうのは得意なので。しっかりと流し込んで決めるっていうことができて良かったと思います」と、持ち味の仕掛けから決めた2点目が勝利を大きく手繰り寄せた。
昨年はひとつ上の代で右SHを担っていたが、FW青木彬朗(2年)が出遅れたこともあり、今大会はCFに抜擢された中で相手ディフェンスラインを下げさせながら前線でポイントになり、ゴールも量産。まだ課題もあるが、CFとしての動きを学習しながら自信も深めていっている。
また、青木投入後は、本職のサイドで武器のスピードを生かし圧倒。そこからのクロスや仕掛けで得点源となった。今大会はCF、左右SHでプレーし、どのポジションでもゴールに迫る迫力を見せ7得点。しかし、昨年の公式戦でのゴールは、プリンス関東2部の國學院久我山戦、後期のジェフ千葉U-18戦の2ゴールのみだった。点取り屋としての開花について太田はこう話す。
「去年は先輩たちに任せている部分っていうのがあったんですけど、自分たちの代になってからやっぱり責任っていうのもあるし、自分が点を決めてチームを勝たせるっていうのは本当に意識していて。そういうところは自分はいま変えていて、得点に繋がっているのかなと思います」
また、昨年から仕掛ける部分はやっていた中で「全然通用しなくて。やっぱりそれだけじゃ足りない」と今年は駆け引きやボールを持ったときのアイデア、周りを見ることを意識。「その中でやっぱり周りを使いながら、自分でも生きるっていうのを意識してできたと思います」と語る。
「自分の点でチームを勝たせるって意識しているので、もっと貪欲にならないといけない部分はある」。「自分が決める」というストライカーとしてのマインドを持ちつつ、大事にしているのがフォア・ザ・チームの精神。「やっぱりチームとして勝ちたいので。個人の目標もあるんですけど、その前にチームとして勝てればいいので、そこはチームのためにっていうのはあります」。
関根雄太監督も「彼の一番良いところは天狗にならないところ。謙虚にやるところが彼の良いところかなと思います」と話すように、攻撃だけではなく、常に一番前からプレッシングを怠らず、献身的なディフェンス。もともとジュニアユース時代は「やりたい放題していた」という中で、西武台で「周りもうまいし、やっぱり自分だけじゃ試合は成り立たないと思って。自分がチームを勝たせるっていうのはもちろんですけど、やっぱりそこが一番かなって」と実感したという。
「全試合で得点を取れて良かったと思うし。けど、ここからがスタートだと思うので、プリンスリーグも、インハイも、選手権も、しっかり全部都って繋げていきたいと思います」。ゴールを自信に変えながら「チームが困難なときに助けられる選手」になるためにさらなる成長を目指す。
石黒登(取材・文)